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*** LP ： UK / 94 (74) / Rollocks / ROLLOCK 1001 ***
■　コンディション　■
A / A
ジャケットはプレーンの白ジャケットの表だけ紙を貼ったチープなものですが、一切のダメージはありません。
盤面にはひげが2本あるだけで気になる擦れもなく、中古としては申し分のないコンディションです。
400枚の限定再発で、裏ジャケットに手書きで「115/400」とあります。

オリジナル入手困難指数の高いことで知られるフーチ（Hootch）の74年の唯一作です。
長いこと何のインフォメーションもなく謎のバンドでしたが、「高校生が思い出作り」のために制作したことが近年判明したそうです。
バンドの実態も分からないのにマニアの間では高額で取引されていただけあって素晴らしい……ってか、キュートでプリミティブなものです。
基本的にインスト（A-3とB-2のみ歌物）なのですが、手作り感満載のスカスカとしたサウンドとアンサンブルは無邪気なんてものではないです。
A-1「You Can't Come In」はモコモコのサウンドとシャカシャカしたリズムに甘酸っぱい青春の郷愁に誘ってくれる我武者羅なインストで、掴みはOK！
A-2「African Boogie」は異様にぶっといベースと高速ドラムにファズ・ギターが執拗なリフを繰り返すグルーヴ感たっぷりのナンバーで、高校生のダンス・パーティーで演奏したら無条件で踊っちゃうでしょうね。
A-3「Golden Valley」にのみ女性コーラスが加わるズンドコ節なのですが、その女性コーラスがこの世のものとは思えないほどのクリスタル・ヴォイスでして、なんちゅ〜贅沢な起用法なんや（怒）。
個人的に一番好きな曲はB-1「Blue Bird」でして、あのマイティー・ベイビーの1枚目を思い起こさせるような米国サイケには珍しい横揺れの疾走感と気だるげなリフがたまりません。演奏（特にギター）の頼りなさも、実に魅力的！
B-2「Eyes Of The Raven」も個人的にはツボでして、ニュー・ヨーク・パンクのような性急さとクイックシルヴァー・メッセンジャー・サーヴィスの鋭角さを強引に合体させたような快演です。
B-3「Arabian Style」もA-2同様、異様にぶっといベースと高速ドラムにファズ・ギターが執拗なリフを繰り返すグルーヴ感たっぷりのインストですが、青臭いものの血の通った温もりのある演奏で、昨今のテクニックはあるが面白みのない若手バンドに聴かせてやりたいですね。
自主盤には珍しく捨て曲なし（しかもインスト主体）で一気に聴かせるアルバムの構成も見事なのですが、これは偶然でしょうね^^v
ジャケットを含めて手作り感に満ち満ちた、「自主制作サイケの鑑」のようなアルバムです。
大推薦なんてもんじゃありません！
【収録曲】
A-1 You Can't Come In 5:40
A-2 African Boogie 4:29
A-3 Golden Valley 3:53
B-1 Blue Bird 4:40
B-2 Eyes Of The Raven 4:30
B-3 Arabian Style 5:50
【クレジット】
Bob Maloney、Doug Lemirande、Henry Erkelenze、Laura Schaefer、Thomas S Henry

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