*** LP ： USA 1967 / Verve Forecast / FTS-3041 ***
■　コンディション　■
B / B+ / SPSE
ジャケット：四隅スレ。上辺薄スレ、下辺スレ、開口部10cmほど割れ、背表紙は中央部10cmほどハゲ＆背割れ。表裏ともスレそこそこ。
ディスク：レーベルはヒゲが少々。盤面は薄スレがけっこう出ていますが、傷と言えるほどのものはありません。B2冒頭に荒れた箇所があり15回ほど軽い「ざっ」という音が出ます。これ以外はつまみ聴き試聴の結果も良好でした。
内袋は穴開きの新しいものが付属。

デイヴ・ヴァン・ロンクの67年作「デイヴ・ヴァン・ロンク・アンド・ザ・ハドソン・ダスターズ」。
アコースティック・ホワイト・ブルースの帝王デイヴ・ヴァン・ロンクがロック・バンド編成で望んだ意欲作にして異色作で、ジョニ・ミッチェル2曲を含むカバーも興味深いアルバムです。
NYヴィレッジの重鎮として知られたデイヴは20枚以上のアルバムを残していますが、そのほとんどはアコースティック・ギターの弾き語り、バックを従えていてもアコースティック編成ですが、本作はエレクトリック編成の完全なロック・アルバムなのです。
ビーチ・ボーイズのカバーで知られるドゥーワップ・クラシックA-1「Alley Oop」で幕を開けますが、まるでフランク・ザッパの名作『ルーベン・アンド・ザ・ジェッツ』に収録されていても違和感のない重たいグルーヴとラップみたいなヴォーカルで、他のアルバムとは違った一面を見せてくれます。
ゲイリー・デイヴィス（B-4）などのカバーはいかにもなのですが、ジョニ・ミッチェルの2曲（A-5、A-6）とホーリー・モーダル・ラウンダーズ（Holy Modal Rounders）のB-5には意表を突かれることでしょう。
デビュー前の（はず）ジョニ・ミッチェルを2曲取り上げていますが、A-6には裏話があって、ジョニはオリジナルのタイトル「Both Sides Now」にしてと頼んだそうですが、最終的に「Clouds」を容認したのだとか。
全編にわたってチープなキーボードとザッパ流へたうまコーラスが印象に残るアルバムで、その猥雑さはアルバムを締めくくるホーリー・モーダル・ラウンダーズに貫禄を与えたような感じもし、この路線であと何枚かアルバムを残して欲しかったものです。
この人は深々とした包容力のあるヴォイスがたまらないですね。
快作です。

米国オリジナル盤。初期盤です。









A-1.Alley Oop (Frazier) - 3:38
A-2.Head Inspector (Van Ronk) - 2:06
A-3.Swing on a Star (Burke-Van Heusen) - 2:37
A-4.Mr. Middle (Bogardus-Woods) - 3:02
A-5.Chelsea Morning (Joni Mitchell) - 2:33
A-6.Clouds (From Both Sides Now) (Joni Mitchell) - 4:37
B-1.Keep Off the Grass (Dave Woods, Doris Woods) - 2:08
B-2.Dink's Song (Bess B Lomax, John A Lomax) - 3:34
B-3.New Dreams (Dave Woods, Doris Woods) - 2:22
B-4.Cocaine (Reverend Gary Davis) - 4:58
B-5.Romping Through the Swamp (Peter Stampfel) - 1:58

Dave Van Ronk - guitar, vocals
Dave Woods - guitar
Phil Namenworth (aka Pot) - keyboards
Ed Gregory - bass
Rick Henderson - drums