*** LP ： USA / 74 / Asylum / 7E-1023 ***
■　コンディション　■
B+ / B+
DJ ; 表ジャケット右上に直径7.5cmほどのプロモ・シールが貼ってあります。
RW ; ジャケットの表裏にリングウエアがあります。
四角に角打ちがあり、白く剥げています（ジャケット表裏に皺が寄るほどではありません）。
裏ジャケットに3cmほどの幅のコーヒーのようなものを零したような薄い跡があります。
白レーベルの盤面にはひげと紙擦れがあり、使用感があります（聴いた限りノイズ気になるは拾いませんでした）。
歌詞とデータの載った内袋を付属（底に4cmほどの割れと、角に3cm四方内の染みがあります。

フランク・ザッパの秘蔵っ子サンディ・ハーヴィッツ（Sandy Hravitz）が、エスラ・モホークと改名してアサイラムから74年に発表したソロ3作目です。
以前はアシッド・フォーク好きと一部SSWファンには定番（初期アサイラムですものね）だった以外は大して注目されないアルバムでしたが、サバービア・ブームで一躍人気盤になりました。
エスラはグレイトフル・デッド（Grateful Dead）が初めてNew Yorkでライブを行なった時に共演したほどの長いキャリアを持ち、80年代初頭にはジェリー・ガルシア・バンド（Jerry Garcia Band）にコーラスで参加しました（余談ですがJGBには77年前後にマリア・マルダーも参加していました）。
ソングライターとしても、シンディー・ローパー（Cyndi Lauper）の大ヒット曲「Change Of Heart」をはじめ、古くはヴァニラ・ファッジ（Vanilla Fudge）の「The Spell That Comes After」を始め、アニー・ハスラム（Annie Haslam）やリタ・クーリッジ（Rita Coolidge）、最近ではKeb' Mo'に曲を提供する優れたソングライターで、ローラ・ニーロ（ローラ・ニーロ）やジョニ・ミッチェル（Joni Mitchel）、CSNYもエスラからの影響を否定できないそうです。
そんなエスラが『ローリング・ストーン』誌で「ロック史上25枚のアルバム」に選ばれた『Primordial Lovers』から4年、アサイラムに移籍して発表した通算3作目が本作です。
先に「サバービア・ブームで一躍人気盤になりました」と書きましたが、本作はホール＆オーツがデビュー前に居たガリヴァーのメンバー、Tom Sellersのプロヂュースということもあってか、ブルー・アイド・ソウル色の濃い女性SSWアルバムに仕上がっていて、ガーシュウィンの有名曲A-5「Summertime」以外は、エスラのオリジナル楽曲です。
本作での曲調は、ローラ・ニーロに通ずる強く影響を受けた黒人音楽を吸収し、咀嚼した切なさを感じるもので、やはりローラ・ニーロに似たクリスタルな声で歌っています。
そんなエスラを支えるミュージシャンは、ジョー・サンプル（Joe Sample)、ウイルトン・フェルダー（Wilton Felder)、エド・グリーン（Ed Green)、ラリー・カールトン（Larry Carlton)、ディーン・パークス（Dean Parks)など、クルセイダーズ（Crusaders）関連が中心になっています。
サバービア・ブームで一躍人気盤になったのも理解できるし、それまで見逃してきた頭の硬直しかかったジジイの悔しさもわかる……
とにかくクオリティーの高い傑作です。
【収録曲】
A-1. New Skins For Old 2:30
A-2. Openin’ My Love Doors 2:24
A-3. Full Fledged Woman 3:10
A-4. You’re Finally Here 2:56
A-5. Summertime 2:28
A-6. Back In The Spirit 2:40
B-1. You Make Me Come To Pieces 3:09
B-2. I Cannot Forget 4:47
B-3. Song To An Unborn Soul 2:10
B-4. If I’m Gonna Go Crazy With Someone It Might As Well Be You 3:32
B-5. Magic Pen 2:25