*** LP ： UK / 71 / Charisma / CAS 1053 ***
■　コンディション　■
A- / A-
ル（Graham Bell）と合流して、71年に残した唯一のアルバムです。
ジャケット違いのアメリカ盤はよく見かけますが、表が真紅で見開きジャケットの英国盤はほとんど見かけません。
英国オリジナル盤は、「Vertigo」、「Harvest」もしくは「Pink Island」と並ぶ3大コレクタブル・レーベルである「Famous Charisma Lebel」（ピンクのスクロール・レーベルは写真参照）で、「Famous Charisma Lebel」は「B & C Records」がディストリビュート（裏ジャケットにクレジット有）を担当した最末期のレコードなので、オリジナルはそうとうレアなアイテムです（「CAS 1058」からよく知られたレーベル・デザインに変更されます）。
内容ですが、ちょっとプログレッシブな卓越したバンド・アンサンブルに、人生の苦悩と哀愁を漂わせるグラハム・ベルのファンキーでソウルフルな激渋ヴォーカルのアンバランスさが絶妙です。
「ちょっとプログレッシブ」と書きましたが、ここが高水準な内容なのに本作の評価を曖昧にしているところなのでしょう。
プログレ的な様式美は全くなく、ハード・ロックともフォーク・ロックとも喩えようのない猥雑さに溢れており、圧倒的な存在感を放っているグラハム・ベルのヴォーカルとミック・ギャラガーのピアノの印象からして、当店的視点からして敢えてスワンプと申しましょう……アンドウエラを思わせる曲もあるし、そのアンドウエラにしても、ポップなのか、フォークなのか、サイケなのか、分らないじゃないですか。
実力があり秀作を残しているのにほとんど評価を得ていないバンドとしては、ストリートウォーカーズ（このバンドもロジャー・チャップマンのヴォーカルが強烈ですね）と双璧かもしれません。
レナード・コーエンやボブ・ディランの解釈もユニークだし、演奏も霧のような繊細な湿っぽさがあって70年代初頭の英国にしかない質感があります。
バンド解散後にメンバーが多岐に富んでいて、ミック・ギャラガーはParrish & Gurvitzのバックへ、トム・ダフィー（Tom Duffy）はリンデスファーン（Lindisfarne）に加入し、アラン・ホワイト（Alan White）はイエス（Yes）にとジャンルの異なるバンドに参加……本作以降も活動してアルバムを制作していたら面白いバンドになっただろうに。
【収録曲と参加ミュージシャン】
A-1) High Priest Of Memphis (Bell) ; Graham Bell ; Vocals, John Turnbull & Ken Ceaddock ; Guitar, Mick Gallagher ; Piano, Tom Duffy ; Bass, Rob Tait ; Drums
A-2) Let Your Love Run Free (Bell + Arc) ; Graham Bell ; Vocals, John Turnbull & Ken Ceaddock ; Guitar, Mick Gallagher & Ken Ceaddock ; Piano, Tom Duffy ; Bass, Rob Tait ; Drums, Steve Gregory ; Tenor Sax, Buddy Beadle ; Baritone Sax, Jeff Condon ; Cornet
A-3) Keep A Wise Mind (Bell, Turnbull, & Gibson) ; Graham Bell ; Vocals & Harmonica, John Turnbull ; Guitar, Mick Gallagher ; Piano, Tom Duffy ; Bass, Rob Tait ; Drums, Alan White & John Wood ; Other Percussion
A-4) So Long, Masrianne (Cohen) ; Graham Bell ; Vocals, John Turnbull ; Guitar, Ken Craddock ; Organ, Mick Gallagher ; Piano, Tom Duffy ; Bass, Rob Tait & Alan White; Drums
A-5) She Belongs To Me (Dylan) ; Graham Bell ; Vocals & Acoustic Guitar, John Turnbull ; Guitar, Ken Craddock ; Organ, Mick Gallagher ; Piano, Tom Duffy ; Bass, Rob Tait & Alan White; Drums, Steve Gregory ; Tenor Sax, Buddy Beadle ; Baritone Sax, Jeff Condon ; Cornet
B-1) Yat Rock (bell) ; Graham Bell ; Vocals, John Turnbull & Ken Ceaddock ; Guitar, Mick Gallagher ; Piano & Organ, Tom Duffy ; Bass, Rob Tait ; Drums, Alan White ; Vibes
B-2) Dawn (Bell) ; Graham Bell ; Vocals & Guitar
B-3) Children Of The North Prison (Bell) ; Graham Bell ; Vocals & Guitar, John Turnbull ; Guitar, Ken Craddock ; Organ, Mick Gallagher ; Piano, Tom Duffy ; Bass, Rob Tait ; Drums
B-4) Everyday (Bell + Arc) ; Graham Bell ; Vocals & Harmonica, John Turnbull ; Guitar, Mick Gallagher ; Piano, Tom Duffy ; Bass, Rob Tait ; Drums, John Wood ; Other Percussion