*** LP ： UK / 74 / Charisma / CAS 1095 ***
■　コンディション　■
B+ / B（C）
RW ; 非コーティングのジャケットで表裏とも上下にリングウエアがあります。
TOC-II ; ジャケット底の糊がはがれていて、3箇所をそれぞれ6cm、5cm、2.5cmほど補強してあり、表ジャケットは目立たないのですが裏ジャケットはセロテープが茶色く変色しています。
TOC-II ; 裏ジャケット左中央に1cmほどの破れがあり、裏側からレープで補強してあります。
盤面にはひげが多数使用感があり、また薄い傷が5，6本あるので静かに聴くには即しませんが、気楽に大音量で聴き流す分には支障はありません。
ただ残念なことにA-1の後半に溝に沿った傷があり2回ほど針飛びがあるのでそこを「C」の評価とし、その他は使用感こそあれ鑑賞に大きな支障はないので「B」の評価としました。
マトリクスは【A-1U // B-1U】
発売当時の内袋を付属（5mmほどの破れと底は2cmほど破れかかっていますが、大きなダメージはありません）。

みんな大好き！木漏れ日フォークの雄ヘロン（Heron）を率いたG.T.ムーア（G. T. Moore）が70年代中期に結成した「Reggae Guitars」の74年の1stです。
最初に……木漏れ日フォークがいきなりレゲエに転身、そんなイメージが強いのかヘロン好きな人にも聴かず嫌い多いのが実情で、嘆かわしい限りです。
私自身も積極的にレゲエを聴きませんがこのバンドは例外で、ヘロンよりも「Reggae Guitars」の方を聴く頻度が圧倒的に多いのです。
木漏れ日フォーク好きの方は「レゲエ」といった狭義な認識に捉われず、木漏れ日の葉を「海辺の椰子」に置き換えて、これからの季節に屋外でのんびりと寛いでいただきたいサウンドということですね。
さてG.T.ムーアヘロン解散後、はペルシャ人女性シンガ−のシューシャ（Susha）のバックで活動、このバンドと意気投合し、ヘロンの同僚であるマーティン・ヘイワードを誘ってレゲエ・ギタ−ズを結成したようです。
そもそもG.T.ムーアはヘロン結成前にローカルなモッズ・バンドを渡り歩いていたそうで、そんなモッズが愛していた音楽の一つが後にレゲエに発展するスカやロック・ステディだったのですから、「木漏れ日フォーク」から「レゲエ」への転身はG.T.ムーア自身にとっては何も抵抗のないことだったのでしょう。
それともう一つ見落としてはならない史実は、英国ロックの総本山といった印象のあるアイランド・レーベルはそもそもスカやロック・ステディを紹介するレーベルとして発足したわけですし、70年代中頃に英国発でBob Marleyが世界的大スターになったし、Linda Lewisはジャマイカ移民の娘だし、Specialsは……と書き出したらきりがないほど、英国にはレゲエやスカのリズムが溶け込んでいた……のかは知らんが、コテコテのレゲエではなく、Heronのように等身大の木漏れ日サウンドです。
蛇足ながら……誰も何処にも書いていませんが、「Knocking On Heaven's Door」はJerry Garcia Bandの初演（ライブでの）よりも早く、アレンジも似ているので、本作をテクストにしたのかもしれません。
【収録曲】
A-1 Painted Lady 4:30
A-2 Book Of Rules (H. Johnson) 4:00
A-3 I'm Still Waiting (D. Richards) 4:30
A-4 Bye And Bye 3:00
A-5 Way Over There 5:52
B-1 Move It On Up 5:51
B-2 Thou Shall Not Kill 3:56
B-3 Bad Johnny 4:08
B-4 Knocking On Heaven's Door (B. Dylan) 7:43
【クレジット】
Vocals, Electric Guitar [Lead], Rhythm Guitar, Mandolin ? G.T. Moore
Guitar [Reggae, Slide] ? Martin Hayward
Backing Vocals, Percussion ? Tom Robinson, Tony Hannaford
Bass Guitar ? Tom Whyte
Organ, Electric Piano ? Tim Jones
Piano [Acoustic] ? John "Rabbit" Bundrick
Producer ? Dave Bloxham
Saxophone [Baritone] ? Peter Van Der Puij
Saxophone [Tenor, Alto] ? George Larnyoh
Trumpet, Trumpet [Flugal] ? Eddie Quansah