*** LP ： UK / 70 / Capitol / E-ST 657 ***
■　コンディション　■
B+ / B+
CO ; ジャケット左上に1.5cm×2cm程のカットがあります。
SPSE ; ジャケットの底が3cmほど割れかかっています（綺麗に割れているのである程度の修復は可能です）。
表ジャケットのみコーティングのフラップバック仕様のペラジャケで、カット付近や背に小さな浮きがあります。
盤面にはひげが散見されるので「B+」にしましたが、丁寧に聴かれていたようで傷や気になる擦れはなく、気になるノイズは拾いませんでした。
B面のレーベルに1cm×4cmほどの「Not For Sale」のシールが貼ってあります。
マトリクスは【A1 // B1】。
発売当時の内袋を付属（書き込みが2箇所あり、底が5cmほど破れています）。

ボブ・ディラン、ジョニ・ミッチェル、ディノ・ヴァレンティ、カレン・ダルトンなど絶大な影響力のあるフレッド・ニールの70年のラスト作です。
A面は代表曲のオン・パレードのライブで、B面は貴重な別テイク集という変則的な構成ですが、1枚のアルバムとしてしっかりまとまっています（というか、私は本作が一番好きです）
内容について触れておきます。
A面は69年にウッドストックで行なわれたライブです。
演奏での緊張感と充実感、それとは真逆の聴衆の寛いだ雰囲気が伝わってきて、アシッド・フォークの真髄を知らしめてくれる秀逸なライブです。
アコギ2本のシンプルな演奏なのですが、フレッド・ニールのブルースに根付いた低い歌声と卓越したアコギ2本のアンサンブルが見事です。
冒頭はアルバム・タイトルにもなっている「The other side of this life」で、ラヴィン・スプーンフル（Lovin' Spoonful）、ジェファーソン・エアプレイン（Jefferson airplane）などがカヴァーでも有名なですね。
ティム・バックレー（Tim Buckley）などのカヴァーでも知られるA-3「The Dolphins」、ハリー・ニルソンが歌った映画『真夜中のカウボーイ』の挿入歌「Everybody's talkin'」など、フレッド・ニールの「ライヴ・ベスト」と的な選曲も嬉しい限りです。
B面は、詳しいクレジットはないのですが、どうやらそれまでに録音していた未発表曲集のようです。
ゲスト以外のクレジットはありませんがバンド編成で、独特のジャージーでブルース感覚溢れるアシッド・フォークを堪能できます。
このB面が実に見事な出来栄えで、日本ではいまいち伝わらない「フレッド・ニールがかくもサイケデリアから愛された」要因が凝縮されているのです！
B-1「Come Back Baby」はレス・マッキャン（Les Mccann）のラグタイム感溢れるリラックスしたピアノをバックに気持ち良さそうに歌っており、60年代初頭のNYヴィレッジじゃ「フォークもジャズも共にヒップな音楽」だった雰囲気を伝えてくれます。
相棒ヴィンス・マーティン（Vince Martin）とのB-2「Badi-Da」や、ラーガ・サイケ風の螺旋のように舞い上がるB-3「 Prettiest Train」は、アシッド・フォークの源流と言ってもいいすぎではないでしょう
B-4「Ya Don't Miss Your Water」はグラム・パーソンズ（Gram Persons）が奏でる出色のピアノをバックに、眠たそうに歌っているレイドバックしまくった最高のアシッド・フォークです。
富裕層出身で金に困っていなかったフレッド・ニールだからこそできた「自由な音楽」が凝縮された大名盤！
サイケ・ファンは当然、フォーク・ロックやSSWのファンも、聴いたことなきゃ恥ずかしい「基本中の基本」とだけ申し上げておきます。
【クレジット】
= Side-A ; Recorded live at The Elephant in Woodstock, NY with Monte Dunn on acoustic guitar =
A-1. Other Side Of This Life (2:43)
A-2. Roll On Rosie (3:45)
A-3. The Dolphins (4:35)
A-4. That's The Bag I'm In (2:40)
A-5. Sweet Cocaine (3:13)
A-6. Everybody's Talkin' (3:30)
= Side B ; Alternate Versions =
B-1. Come Back Baby (2:33) with Les Mccann on piano
B-2. Badi-Da (2:40) with Vince Martin
B-3. Prettiest Train (4:31)
B-4. Ya Don't Miss Your Water (2::32) with Gram Parsons on vocals and piano
B-5. Felicity (1:34)