*** LP ： USA / 82 / Europa / JP2008 ***
■　コンディション　■
A- / A
SPSE ; ジャケットの底が3cmほど割れかかっているので「A-」にしましたが、それ以外のダメージはありません。
盤面にはひげも気になる擦れもなく、中古としては申し分のないコンディションです。
アラン・ゴーゥエンの音楽活動歴の載った内袋を付属（左右両辺が破れています）。

1981年5月17日に亡くなった元メンバーのアラン・ゴウエン（Alan Gowen）のために、ナショナル・ヘルスの2ndアルバム期のメンバーであるフィル･ミラー（Phil Miller）、デイヴ・スチュワート（Dave Stewart）、ジョン・グリーヴス（John Greaves）、ピップ・パイル（Pip Pyle）の4人が集まって制作された追悼盤です。
収録曲は全てアラン・ゴウエンによって書かれた曲で、A-2「TNTFX」やA-5「Arriving Twice」のようにアラン・ゴウエンがギルガメッシュ（Gilgamesh）在籍時の作品から、公の場で演奏されたことがないレアな作品まで幅広く取り上げられています。
デイヴ・スチュワートの作品が中心だったナショナル・ヘルスの1st、2ndは、個人的にはテクニカルなポップ・ジャズといった印象があって、スチュワート・ガスキンみたい「もっとポップより」だったらと煮え切らない部分があるのですが、自分をジャズ･ピアニストだと思っていたというアラン・ゴウエンの作品を納めた本作は、ナショナル・ヘルスの3枚の中で最もジャズ・ロック色の強いもので、個人的には最高傑作だと思います。
オープニングの数分こそ80年代サウンドなのですが、エルトン・ディーンがサックス・ソロを取り始めるといきなりカンタベリー臭くなり、この後はこのメンバーでなければ出せないサウンドで統一されています。
特に印象的なのは、リチャード・シンクレアのスキャットとフルートが美しいカンタベリーでは異色のジャズ・ボッサのA-3「Black Hat」と、アコースティック・ギターの響きが美しい小曲A-5「Arriving Twice」、陽光に煌めく水面を見事に音象化したB-1「Shining Water」です。
アラン・ゴウエンの卓越した作曲能力は素晴らしく、小粋な小曲と重厚な大曲のバランスも良い佳作です。
BGMとして聴き流すもよし、テクニカルなのに嫌味に感じないミュージシャンの演奏を聴きこむもよし、そんなアルバムです。
【収録曲】
A-1. Portrait f a Shrinking Man 5:35
A-2. TNTFX 3:11
A-3. Black Hat 4:52
A-4. I Feel a Night Coming On 6:38
A-5. Arriving Twice 2:20
B-1. Shining Water 8:50
B-2. Tales of a Damson Knight 1:55
B-3. Flanagans People 7:31
B-4. Toad of Toad Hall 5:35
All compositions Alan Gowen
【参加ミュージシャン】
Phil Miller guitars
Dave Stewart keyboards
John Greaves bass
Pip Pyle drums, electric drum
guest:
Elton Dean saxello
Amanda Parsons vocals
Barbara Gaskin vocals
Jimmy Hastings flute
Richard Sinclair vocals
Annie Whitehead trombone
Ted Emmett trumpet