*** LP ： ?? / ?? (69) / Middle Earth / MPLS 302 ***
■　コンディション　■
A- / A
ジャケットは左上に軽い角打ちがあり2cm以内で数本の皺が寄っているので「A-」です。
表ジャケット下に薄いリングウエアがあるように見えますが、もともとのジャケットがそのようなコンディションだったのでしょう。
盤面にはひげや気になる擦れはなく、中古としては申し分のないコンディションです。
25年ほど前に出回わったリプロですが、近年のリイシューではサウンドが妙にスカスカになっており、オリジナルに近いサウンドはこちらでしょう。

5枚のアルバムしか残さなかったマイナー・レーベルのミドル・アースからリリースされた不思議なバンド、アーケイディウムが69年に残した唯一作です。
メジャー系マイナー・レーベルという希少性と後述するように「69年」らしいごった煮サウンドという内容も相まって、オリジナルは古くから鬼畜盤として知られていました。
アーケイディウムはロンドンを拠点としてい5人編成で、4人がヴォーカルを取っています。
ハード・ロック的アグレッシヴさ、プログレの叙情性にサイケデリックの混沌さを混ぜ合わせた「ジャンル分不可能」「ジャンル分化」以前の、この時期にしか生まれえなかったサウンドです。
そんでもって、とにかくヘタ……思いつくだけのアイデアを詰め込んじまって我武者羅に演奏しているのに消化不良の雑多な感じが全くしないのが不思議で、全ての要素が絶妙にブレンドされていて芳醇な香りを醸し出しているんだよね。
サウンドの中核はヨレヨレ感たっぷりさ加減が幻想的になっちゃうオルガンとファズをギンギンにかましているはずなのに何故かマイルドなギター、そしてヘヴィなリズム隊が絡みついて押寄せてくるのですが、繊細な透き通るような音だったりして奇妙なフワフワ感に包まれています。
更に！演奏が稚拙なことに加えて、メイン・ヴォーカルも頼りなくトホホなんだけど、そんなヴォーカルも演奏に見事にマッチしているのは「ミラクル」としか言いようがありません。
稀少なオリジナルが一部好事家に評価され、昔から超プレミア価格で取引されていたのも納得です！
口が裂けても「名盤」とは言いませんが、「愛すべきアルバム」です。
ヴォーカルと演奏が上手かったら、同年のキンクリ『宮殿』クラスかも……大袈裟かな？
無条件で好きなアルバムです。
【参加ミュージシャン】
Graham Best: bass, vocals
Allan Ellwood: organ, vocals
John Albert Parker: drums
Robert Ellwood: lead guitar, vocals
Miguel Sergides: 12-string guitar, vocals
【収録曲】
A-1 I'm on My Way 11:57
A-2 Poor Lady 3:58
A-3 Walk on the Bad Side 7:30
B-1 Woman of a Thousand Years 4:00
B-2 Change Me 4:45
B-3 It Takes a Woman 4:05
B-4 Birth, Life and Death 10:45