*** LP ： ?? / ?? (71) / Vertigo / 6360 052 ***
■　コンディション　■
A- / A
純白のジャケットに薄い染みが浮いています。
盤面にはひげや気になる擦れはなく、中古としては申し分のないコンディションです。
激レアなヴァーティゴ盤を忠実に再現したりプロです（見開きジャケットでレーベルもコピーしています）。

71年発表のアルバム「Ben」で、オリジナルはVertigo屈指のレア盤として知られていますね。
そんなアルバムを残したメンバーがほぼ無名で、唯一人少し知られているのはソフト・マシーンのヒュー・ホッパー、エルトン・ディーンとアラン・ゴーウェンによるソフト・ヘッドに参加したドラマーのデヴィッド・シーンだけです。
内容の方は、文句のつけようがないサイケデリックなジャズ・ロックで、演奏技量の高さ、精緻なアンサンブル、演奏のスリリングさなど最高級レベルです。
カンタベリー系のバンドではありませんが、ソフト・マシーンの『6』あたりの感触に近いものがあります。
【収録曲と簡単な感想】
A-1「The Influence」（10:07）　8部構成で一部の作曲がキース・ジャレットとなっていますが、なんと！ベンはキースの英国UKツアーの前座を務めたとか……ベースのシンコペーション・パターンとフルートの飛翔が軽妙なオープニングはキース・ジャレットというよりも同時期のチック・コリア率いたリターン・トゥ・フォーエヴァーに近く、野太いサックスやギターが重なってブルージーに疾走したり、後半での叩きつけるようなエレピ・ソロなど聴きどころ満載の楽曲です。
A-2「Gibbon」（9:32）　たおやかな管楽器に導かれて始まり、一丸となって荒々しくもシャープに疾走する曲で、エレピをメインにしたワルツ風の演奏、スペイシーなアドリヴ、ラテン・ロック風のエレピ・ソロなどアイデアを凝縮したスリリングな演奏です。
B-1「Christmas Execution」（7:21）　ギターとフルートなどが交錯するクラシカルなアンサンブルが印象体な楽曲で、本人たちは「正統派ジャズ」をめざしているのかもしれんが、ひしゃげ方はロック・ファンに受けるでしょうね。個人的には本作の中で1番面白い曲です。
B-2「Gismo」（11:50）　素っ頓狂なスキャットで始る賑やかな曲で、野太いベースに支えられて、コルトレーンばりのフリーキーなサックス、シャフル・ビートを軽快に奏でるエレピ、飛びたいのに飛べないフルート、得意満面で弾き狂う中近東テイストのギターなどのソロ・パートを挟みつつ、エンディングでは一丸となって猪突猛進するのですが、素人でもピッチがズレているのがわかる奇妙なんだけでど面白い演奏で、「ESPの英国ヴァージョン」といってもいいユニークな演奏が繰り広げられています。
英国ジャズ・ロックの名盤です！
【参加メンバー】
Peter Davey alto & tenor & soprano & britone saxes, flute, clarinet
Alex Macleery electric piano, harpsichord, moog synthesizer
Gerry Reid electric & acoustic guitar
Len Surtees bass
David Sheen drums, congas, percussion, vocals