*** LP ： USA / 68 / World Pacific WPS-21903 ***
■　コンディション　■
A / A
SPSE ; ジャケットはシュリンク入りの極美品なのですが、5cmほど割れているので「A-」にしました（綺麗に割れています）。
CO ; ジャケットの左下に2cm×2cm以内のカットアウトがあります。
なお表ジャケット写真で大きく「Sealed」と書かれていますが、勿論シュリンクの上からです。
盤面にはひげや気になる擦れのない、限りなく新品同様に近いコンディションです。

いかがわしいジャケットで知られるドクター・ケーズ・ブルース・バンドの唯一作は、ジャケットとは裏腹の正統派英国ブルース・ロックの名盤です。
本人たちは売れる気あったんか？、レコード会社は売る気あったんか？……というほど触手の伸びないジャケットですが、聴かず嫌いはもったいない高水準な内容です。
メンバーの多くがマウスウェル・ヒル出身で、バンド結成時には後にフェアポート・コンヴェンションなどで活躍するアシュリー・ハッチングスが参加していたそうです。
ギタリストのジェフ・クリヴィットは、エリック・クラプトンが脱退したジョン・メイオール＆ブルース・ブレイカーズに登用されましたが、短期間でピーター・グリーンに替わってしまいました。
ジェフ・クリヴィットはブルース・ブレイカーズでは公式アルバムを残していないとはいえ、あの時代にエリック・クラプトンの代役として白羽の矢が立ったのだからたいしたものですね。
さて、バンドの名前「ドクター・ケーズ」とはリチャード・ケイのことで、リーダーはピアニストのリチャード・ケイだったのでしょう。
ジャケットの強烈さもあってかサイケに分類されることもある本作ですが、アシッド臭が漂ってはいますが、60年代後半の王道英国ブルース・ロックです。
演奏力も高く、リチャード・ケイの転がるようなピアノ、ジェフ・クリヴィットの60年代後半の臭いムンムンのギター、もう1人のギタリストのロジャー・ロルトの奏でるスライドは勿論、リズム・セクションも実に軽快で、同時期のフリートウッド・マックやチキン・シャックと較べても引けをとりません。
ブギウギからロックンロール、ピアノ・ブルースからスライドが唸りまくるスロー・ブルースまで多岐に渡ったブルース・ロック入門盤としても優れた内容で、統一感のあるアルバムに仕上げたアレンジ構成力も見事です
収録曲11曲中オリジナルが7曲で、残りがブルース・クラシックのカヴァーなのですが、オリジナルとカヴァーに差を感じないところが面白いです。
個人的にお気に入りなのは、スライドが泣きまくるスロー・ブルースのA-5「Pet Cream Man」とピアノ、ハーモニカ、ギターが軽快にソロを回すB-1「Messin' With Kid」でしょうか。
米国盤ですが、極美品。
【参加ミュージシャン】Mick Hasse - Vocals, Harmonica
Geoff Krivit - Lead Guitar, Bass
Roger Rolt - Rhythm Guitar, Slide Guitar, National Steel Guitar
Harold Vickers ? Bass
Eric Peachey ? Drums
Richard Kay ? Piano
【収録曲】
A-1. I Can't Lose
A-2. Walking
A-3. Key To The Highway
A-4. Crippled Clarence
A-5. Pet Cream Man
B-1. Messin' With Kid
B-2. Don't Quit The Man You Love, For Me
B-3. Rolty's Banjo Shuffle
B-4. Strobe Lemming's Lament
B-5. Long Distance Call
B-6. I Feel So Bad