*** LP ： UK / 76 / RAK / SRAK519 ***
■　コンディション　■
B+ / A-
コーティング・ジャケットで浮きは背に小さなものがいくつかあるだけです。
RW ; 純白の裏ジャケットに薄いリングウエアがあります。
WOC ; 裏ジャケット左上に3cm×1cm以内に青ボールペンで書き込みがあります。
盤面にはひげが散見されるので「A-」にしましたが、聴いた限り気になるノイズは拾いませんでした。
マトリクスは【A2 // B2】。
PATENT NO.入り白インナーバッグ付属（破れなし）。

60年代末から様々なセッションやバンドで数多くの録音を残してきたクリス・スペディングの76年のソロ・アルバムです。
セッション等では印象に残るギターを披露していますが、ソロとなると……本作後にはセックス・ピストルズのデモ・テープの録音もしているそうなので、根っこはロカベリーやロックンロール志向の人なのでしょう。
しかし本作だけは、ギター主導の英国ロック・ファンは必携です。
というのも、13人の有名ギタリストをメドレー形式で真似るA-5「ギター・ジャンボリー（Guitar Jamboree）」を収録しているからです。
こんな真似ができたのも、セッション・マンとして様々なアーティストの録音に参加してきたクリス・スペディングだからこそ為せる技でしょう。
もう一つ重要な事実を付加えるとすれば、ミック・テイラーの後釜としてローリング・ストーンズへの参加が噂されていたクリス・スペディングにとって、この時期がピークの一つであったことでしょう。
さて、A-5「ギター・ジャンボリー」に登場する13人を順に並べると、アルバート・キング〜チャック・ベリー〜ジミ・ヘンドリックス〜唯一登場するベーシストの盟友ジャック・ブルース〜ピート・タウンゼント〜キース・リチャード〜ジョージ・ハリソン〜エリック・クラプトン〜ジミー・ペイジ〜ジェフ・ベック〜ポール・コゾフ〜レスリー・ウェスト〜デイヴ・ギルモアです。
内容はクリス・スペディングがギター・ヒーローを一人ずつ紹介し、そのギタリストのスタイルを有名曲のフレーズでなぞるといったもので、それが単なる真似事になっていないところがすごいです。
この曲を聞いて「ウ〜ン」と思ってしまうか、大爆笑するのかは、その人のセンス……身も蓋もないが、そうとしか言いようがありません。
さて、A-5「ギター・ジャンボリー」にばかり注目が集る本作ですが……
「ピンクのスーツにアメ車」というジャケットが物語っています。
つまり、ビートルズやストーンズが憧れたR&B方面とは違って、ロックンロールへの素直な憧憬が素直に表れています。
このことは、ジャケットだけではなく、収録曲名からも伝わってきます。
パンク爆発寸前、ストレイ・キャッツを筆頭に「ネオ・ロカ」ブームの5年以上前……
「時代を先取りしたアルバム」なのですね！
【収録曲】
A-1. New Girl In The Neighbourhood 2:30
A-2. School Days 2:26
A-3. Sweet Disposition 2:16
A-4. Bedsit Girl 2:03
A-5. Guitar Jamboree 4:20
B-1. Jump In My Car 3:23
B-2. Hungry Man 3:17
B-3. Motor Bikin' 2:38
B-4. Catch That Train 2:40
B-5. Nervous 2:13
B-6. Boogie City 2:37
【参加ミュージシャン】
Chris Spedding Composer, Guitar, Primary Artist, Vocals
Brian Bennett Drums
Tony Burrows Vocals, Vocals (Background)
Tony Carr Drums
Dave Cochran Bass
Sue Glover Vocals
Les Hurdle Bass
Neil Lancaster Vocals, Vocals (Background)
Sunny Leslie Vocals
Charles Mills Vocals
Chas Mills Vocals (Background)
Barry Morgan Drums
Mickie Most Producer