*** LP ： Germany / ?? / Shadoks / 056 ***
■　コンディション　■
A /A
極厚のジャケットは角打ちなどのダメージが一切なく、限りなく新品同様です。
盤面には気になる擦れはなく、中古としては申し分のないコンディションです。
350枚のNo.入り限定盤で、これは「255」です（ジャケットの内側に手書きで書かれています）。

元フロー（Flow）のリーダーによるソロ名義、ピート・ファインの76年録音ながら2000年代初頭まで未発表だった2ndです。
前作に較べるとバンドとして一体感が感じられ、76年当時なんで未発表だったんだろう（ボストンが大ヒットした頃なので、タイミングはピッタリだったと思うのだが）。
便宜上「サイケ」としますが、内容は多岐に渡っています（しかも、統一感があるところが素晴らしい！）。
ほとんどの人が聴いたことがないと思うので、簡単な曲の印象を……
A-1「Fantasies」はギターが咆哮するドラマティックなインストで、サイケ・ファンよりもシンフォニック寄りのプログレ・ファンに好まれそうです。
A-2「The March」はガッツのあるブギー調で始まり、間奏で転調してメローなギターを堪能させてくれるインスト。
A-3「Be Who You Want To Be」は女性ヴォーカル（美声）とツイン・ギターがかっこいいハード・ロック！
A-4「Mideast Shuffle」もテクニカルで展開の目まぐるしいインストで、この曲はプログレ・ファン向きかな？
A-5「I Won't Be Coming Back Again」はA-3に続き女性ヴォーカルを立てた曲で、70年代初頭の女性ヴォーカルを前面に出したプログレ・ファンにはたまらない演奏でしょう。
A-6「Walkin' Down That Road」はキーボードとフルートが飛翔し、女性ヴォーカルが舞う、やはり70年代初頭の女性ヴォーカル（キャタピラあたりかな？）を前面に出したプログレ・ファンにはたまらない演奏でしょう。
A-7「Drink To Each Man」はちょっとパンキッシュな演奏に始まり、転調して鳴きのギター・ソロを挟む反則技だが、自主盤でなきゃできない出鱈目さがあって非常に面白い！
B-1「It Swallowed The Sun」はのっけからギターと女性ヴォーカルが錯綜するハード・ドライヴィングな曲で、アフィニティーを彷彿とさせます。
B-2「My Dream」はちょっとポップなロックナンバーで、フルート・ギター・女性ヴォーカルが舞いますが、A-6よりもアメリカン・ハードロックよりの演奏でしょうか。
B-3「All Things Come Back To You」は鳴きのギターから始まる男性ヴォーカルが主導するバラードで、曲の半ばからハードな演奏になり女性ヴォーカルも加わるドラマティックな大曲です。好きだな！
B-4「The Sky Opened With Answers」は男性ヴォーカルによる愚直なまでの王道アメリカン・ハードですが、キャッチーなメロディーと女性コーラスが心地いいです。
B-5「Love Is The Answer」は「おいおい、ディープ・パープルか（しかも「Highway Star」^0^）」と突っ込みたくなるハード・ドライヴィングな曲なのですが、女性ヴォーカルとリード・ハーモニカという捻り技がユニークです。
B-6「Love Song」は鳴きのギターで始る悲哀たっぷりのスロー・バラードで、メインの男性ヴォーカルとサポートの女性コーラスがいい感じ。
「自主盤」、しかも「未発表」というのが信じられないほどの完成度の高さです。
サイケ、ハード・ロック、プログレのいずれかが好きな方は、期待を裏切られることのない高水準な内容です。
本人たちにはその気はなかったのでしょうが、もしメジャーの眼に留まっていたら、今頃ビッグ・バンドになっていたかもね。
大推薦！
【収録曲】
A-1 Fantasies 5:51
A-2 The March 3:01
A-3 Be Who You Want To Be 3:21
A-4 Mideast Shuffle 2:44
A-5 I Won't Be Coming Back Again 2:53
A-6 Walkin' Down That Road 3:23
A-7 Drink To Each Man 2:43
B-1 It Swallowed The Sun 2:30
B-2 My Dream 3:28
B-3 All Things Come Back To You 7:38
B-4 The Sky Opened With Answers 4:02
B-5 Love Is The Answer 4:02
B-6 Love Song 5:44
【参加ミュージシャン】
Bass ? Steve Harris
Drums ? Steve Hamblin
Lead Guitar ? Pete Fine
Vocals ? Diane Palocek
Vocals, Rhythm Guitar, Harmonica ? Mark Wolfe