*** LP ： Japan / 88 (68) / Polydor (Verve) / 18MM0661 ***
■　コンディション　■
A / A
ジャケットはリングウエアや角打ちなどのダメージはなく、中古としては申し分のないコンディションです。
盤面にはひげが数本あるだけで気になる擦れもなく、中古としては申し分のないコンディションです。
帯とライナー・歌詞を付属。

67年のヴェルヴェット・アンダーグラウンド（Velvet Underground）のファーストへの参加後に発表されたニコの68年のソロ・デビュー作です。
ヴェルヴェッツ関連もしくはサイケデリックの範疇で語られることが多いかと思いますが、（ニコ自身は曲を書いていませんが）SSWファンにも聴いていただきたいアルバムです。
ヴェルヴェッツのメンバーから若きジャクソン・ブラウン（Jackson Browne）などの協力をあおいで制作された、60年代後半のフォーク、ポップ、サイケが渾然一体となった異色作と言ってもいいでしょう。
アルバムは、ジャクソン・ブラウン参加作品（A-1、A-2、B-2、B-3、B-5）とヴェルヴェット・アンダーグラウンドのナンバー（A-3、A-4、A-5、B-1、B-4）がバランスよく配されています。
ヴェルヴェッツの1stに収められなかったというB-4「Wrap Your Troubles in Dreams」や、ギターとビオラにニコの歌声の絡みが刹那的な美しさを放つA-5「It Was a Pleasure Then」は、いかにもヴェルヴェッツなメランコリックさが眩しすぎます。
一方のジャクソン・ブラウンが主導したフォーク・サイドも、ニコの低く沈鬱な歌声にスポットを当て、当時のフォーク・ロックやSSWとは明らかに一線を画す出色の出来栄えです。
後にニコ本人やルー・リードがフルートの使用やストリングス・アレンジに不満を洩らしましたが、20年以上ぶりに聴いてみて、ドラムレスのシンプルな編成ゆえにメランコリックな部分を巧く照らし出していて、聴きやすくなっていますね。
ストリングスにしても控え目でニコの歌声に寄り添うように施されていますし、浮遊感漂うフルートの効果は絶大ですね。
ニコというと「The End」に代表されるオドロオドロしさが災いして、きちんと聴いたことがない人が多いと思いますが、本作は先入観を払拭してくれるアルバムだと思います。
正直に申し上げましょう、私もニコが怖かった……ヴェルヴェッツの1stに次いで聴いたのが「The End」だったもので去勢されたようなものでした。
ニコ本人やルー・リードの批判も分らんじゃないが、うまかないけど率直に歌っているニコの美しさは見事に物憂げなジャケットに反映されています。
聴かず嫌いはいかん！
【収録曲】
A-1."The Fairest of the Seasons" (Jackson Browne, Gregory Copeland) ? 4:06
A-2."These Days" (Jackson Browne) ? 3:30
A-3."Little Sister" (John Cale, Lou Reed) ? 4:22
A-4."Winter Song" (Cale) ? 3:17
A-5."It Was a Pleasure Then" (Nico, Reed, Cale) ? 8:02
B-1."Chelsea Girls" (Reed, Sterling Morrison) ? 7:22
B-2."I'll Keep It With Mine" (Bob Dylan) ? 3:17
B-3."Somewhere There's a Feather" (Browne) ? 2:16
B-4."Wrap Your Troubles in Dreams" (Cale) ? 5:07
B-5."Eulogy to Lenny Bruce" (Tim Hardin) ? 3:45
【クレジット】
Nico ? vocals
Jackson Browne ? electric guitar (A1-2, B2-3, B5)
Lou Reed ? electric guitar (A3, A5, B1, B4)
John Cale ? viola, organ, guitar (A3-5)
Sterling Morrison ? electric guitar (B1, B4)
Tom Wilson ? producer
Larry Fallon ? string and flute arrangements