*** LP ： USA / 2003 (78) / Orange Double Dome / No Number ***
■　コンディション　■
A / A
ジャケットにはリングウエアや書き込みがなく、中古としては申し分のないコンディションです（なおジャケットは表裏ともに印刷されたままで、白のプレーンケースに貼られていません）。
盤面にはひげも気になる擦れもなく、中古としては申し分のないコンディションです。
300枚の限定再発で裏ジャケットに手書きで「89/300」とあります。

1995年以降、憑付かれたかのように自主盤（すべて未聴）を出しまくっているRick Saucedoが、まだ正気？だった78年に制作した1stアルバムで（限定300枚の再発で、裏ジャケットに手書きで「89/300」とあります）、オリジナルは6桁の激レア・アイテムで、「入手困難指数」の上位にランクされます。
ちょっと調べてみたら、55年生まれの彼はプレスリーの物真似で78年にはブロードウエーの舞台を踏んでいるとか……そのギャラで本作を制作したのだとすれば、イカレまくっていて最高です！
内容を端的に言えば、表が幽霊屋敷、裏が墓場といったジャケットからの連想とは程遠い、どことなく淋しげなメロディが沁みる米ドリーミー・アシッド・フォークで、マイケル・アンジェロ（Michael Angelo）にも通ずる「遅れてきたヒッピー」のようなサイケデリックな世界観と甘美なメロディラインが夢の園へ誘ってくれます。
A-1「Reality」は、冒頭からエレピとアコースティック・ギター、エレキ・ギターの絡みつくようなアルペジオの中を、哀愁の男女混成ヴォーカルとフルートが幽玄に彷徨う、ゆったりとしたドリーミーな楽曲で、一発で本作の虜になることでしょう。
A-2「In My Mind」は、ファズ・ギターと拉げたオルガンが鳴り響くものの、やはりゆったりとしたドリーミーな楽曲です。
A-3「Country Shakin’, History Makin’」とA-4「Ka Mon Gonna Rock All Night Long」はプレスリーの物真似のRick Saucedoらしくロカビリー……でもご安心ください、過剰なファズ・ギターやピーター・アイヴァースが1stで吹いていたような歪なハーモニカが暴れまくっています。
アルバム・タイトル曲であるB-1「Heaven Was Blue」は片面全てを使用した18分を越える力作で、一歩間違ったらプログレになっちゃいそうですが、幻想的でドリーミーかつメランコリックなアシッド・フォーク組曲なっているのですから、天晴れ！というしかありません。
風雨などの効果音の使用も控え目で、パートごとに変幻自在なアシッドまみれのギターの音色がとてもユニークです。
オリジナルが単に激レアだから6桁の「入手困難指数」盤ではなく、見事に内容が伴っていますし、メジャーからは発表できない発想の自由さがあります。
【収録曲】
A-1 ? Reality
A-2 - In My Mind
A-3 - Country Shakin’, History Makin’
A-4 - Ka Mon Gonna Rock All Night Long
B-1 - Heaven Was Blue