*** LP ： EEC / ?? (71) / out-sider / OSR-002 ***
■　コンディション　■
S
シールド、新品です。
開封したいのを我慢していますが、インサートを封入しているようです（麗しきお声の女性の写真は掲載されているのかしら、と悶々……）。

発掘されたのは21世紀になってから……というのも、今は無き東京某所の廃盤レコード屋に顔をだしたら「これを聴かなきゃ始まんねーよー」と自慢され、癪なんでなんとかCDRでゲットしてみたところ、「極私的2004年のレコード大賞」に輝いたという極めて明確な記憶があるのですね。
因みに昨年は、「John and Philipa Cooper / The Crooperville Times」でした。
https://www.disk-market.com/?pid=36723277
おいといて、オリジナルは確か当時はまだポコラ本にも未掲載だったほどの激レアな自主盤の本作ですが、6桁突入も時間の問題の価格高騰盤です。
内容については後でも書きますが10年近く愛聴盤であり続けているのは、実に素朴なアシッド・フォークで、感触が英国のものに極めて近い……というよりも、予備知識がなければ、誰もが「英国産アシッド・フォーク」と信じて疑わないことでしょう。
今初めて知ったのですが、実は「クリスチャン・フォーク・ロック・バンド」なのだそうですが、英語がチンプンカンプンなのは「お目出度い」ことでして、宗教色を感じたことは全くなかったな〜（言われてみりゃ、裏ジャケに十字架が……うんだが、そんなもん森田童子の表ジャケにもあるやんけっ）。
女性ヴォーカルを含む5人編成で、2ギターの絡みもコーラスも高ポイントな、ドリーミーなアシッド・フォークです。
全曲オリジナルで、作曲センスは独創的なもので、なによりもウィスパー気味の可憐な女性ヴォーカルが素晴らしすぎて、流れるような軽快なメロディとアコースティック・ギターの淡く素朴なきらめきは、「木漏れ日フォーク」といってもいいでしょう。
内容はいかにも自主盤のシンプル極まりないもので、収録された楽曲もほとんどアレンジを施していないような素朴なもの、言い方を換えれば「ピュアな感覚」に満ち満ちています！
全編、優しいメロディー、質素な演奏に、男女混成ハーモニーが気持ちよく響き渡っています。
なんといっても紅一点のデビー・マッキー（Debbie McKee）の自信なさ気で、か細くも、クリスタルなヴォーカルが素晴らしいすぎるのです。
男性ヴォーカルがリードを取る曲もあるいくつかあるのですが、コーラスでデビーのクリスタル・ヴォイスは木霊のように響いています。
んだがそれでも圧倒的に素晴らしいのはデビーがリード・ヴォーカルを担当する曲で、A-4「Loner」、B-1「Take Time」やB-4「It Seems」での切なくも美しい歌声は息を呑むほどです。
これほど可憐な女性ヴォーカリストは、滅多にいないでしょう！
ジャケも含めて本当に手作り感溢れている「理想的な自主制作盤」ですが、自主盤やサイケに興味はあるものの「禁断の果実」手を出すようで一歩引いてしまう方にも、アシッド・フォークや「木漏れ日フォーク」が好きな方にはすんなりと受け入れられる一生モノのアルバムです。
【収録曲】
A-1) He Is Comin' 4:40
A-2) Why Do I Feel Alone 2:30
A-3) Leading Back Into My Mind 3:25
A-4) Loner 2:40
A-5) Lead Me Home 3:05
B-1) Take Time 2:47
B-2) No Man Is A Mountain 3:14
B-3) Long Time In The Rain 2:04
B-4) It Seems 2:10
B-5) On The Outside Looking In 2:09
B-6) Rap It Out 2:30
【メンバー】
Dan Germain ; Guitar
Russ McIlwain ; Guitar & Keyboard
Debbie McKee ; Vocal
Fred Stoppelkamp ; Bass
with Larry Chilelli ; Drums