*** 2LP ： Japan / 73 / OZ / OZ-1〜2 ***
■　コンディション　■
B- / A-
ジャケットはクラフト紙に芋判を押して包んだ後、ガムテープで留めただけのチープなものです。
開封時にガムテープを剥し、クラフト紙の2辺を破いたようで四辺はボロボロですが、「OZ DAYS LIVE」と芋判で押してある部分に影響はありません。
また、弱いクラフト紙ですので焼けていますし、通常のLPサイズよりも2,3cmはみ出しているので、オリジナルで淵が綺麗なものは皆無といってもいいでしょう。
盤面はレーベルに染みはありますが、3面（裸のラリーズを聴く際の面）に数本のひげがあるだけで、気になる擦れや傷はありません。
手作り感満開のインサートを付属しています(染みや経年の焼けはあります)。
当然のことながら自主盤ですので、最初から帯やライナー・歌詞カードは付属していません。

70年代初めに吉祥寺にあったライヴ・ハウス「OZ」が閉店に際して、73年に自主制作で販売した2枚組で、当時OZに出入りしていた人から譲り受けた、正真正銘のオリジナル盤です。
余談ですが、カルメン・マキ＆OZというバンド名の由来がこの店からきていることは有名な話ですね。
収録されているバンドは、裸のラリーズ（Les Rallizes D?nud?s）、タジマハール旅行団(Taj Mahal Travellers)、都落ち、南正人、アシッド・セブンで、いずれも曲目のクレジットなどはありません。
いずれの演奏もコマーシャリズムとは無縁であるからこそのプリミティヴなもので、ジャーナリズムにはのらないリアルな70年代前半の東京アンダー・グラウンドの空気を反映した記録した貴重なものです。
収録されているミュージシャンも、一般には馴染みがないと思いますので、収録されたバンドについて簡単に触れておきます。
◎　都落ち
NMM1973年の7月号に「マガジンが見つけた19の実力派グループ」で紹介された京都出身のバンド。目指す方向が「村八分」がストーンズだったのに対し、この「都落ち」はビートルズという違いはありますが、「村八分」と同レベルのインパクトを持った演奏を聴かせてくれ、なかでも「Twist and Shout」は圧巻です。
◎　アシッド・セヴン
「いのちの祭り」「レインボーショー」等のオーガナイザーにして、現在も横浜を中心に多くのイベントを手がけているセブンちゃんは、福島原発事故で「反原発」魂に火が付き、各種イベントで目撃するアジテイトは物凄く格好いいので是非「YouTube」で探してみてください。
◎　タジマハール旅行団(Taj Mahal Travellers)
現代音楽家・小杉武久を中心にフリージャズ、現代美術、ポップ・アートのイラスト・デザイナーといった独自のキャリアを持った芸術家が集まった即興演奏集団で、楽譜に縛られることから解放され感情の赴くままに音を出そうという実験的試みに挑戦した音楽ユニット。活動期間中に残した2作は世界中のサイケ・コレクターが探す大名盤ですし、ストックホルムのライブはブートにもなりました。本作でもロックやらジャズ、現代音楽を全部ひっくるめた浮遊感のある演奏を繰り広げています。
◎　南正人
還暦をとっくに越えた今でも足の向くまま、気の向くまま、日本だけでなくタイにも赴く、われ等がナミさんですが、本作からほぼ40年経つのに演奏スタイルが全く変わっていないのが凄いですし、今でもレパートリーである「I Shall Be Released」には涙しますよ。
◎　裸のラリーズ（Les Rallizes D?nud?s）
日本が世界に誇る唯一無二のアシッド・ロック・バンド！海外を中心に様々な形でCD、CD Boxが出ている昨今ですが、本作（CDはブートです）と90年代初頭に出た3タイトル以外は、水谷さんの不許可音源だそうです。なお、本作に収録されている「裸のラリーズ」のベースは久保田真琴だそうです。
【収録アーティスト】
Side-A : 都落ち　3曲、アシッド・セブン　3曲
Side-B : 南正人　4曲
Side-C : タジマハール旅行団　1曲
Side-D : 裸のラリーズ
1) フィードバック・ノイズ
2) 記憶の扉
3) 造花の原野
4) The Last One