*** LP ： UK / 77 / Myrrh / MYR 1056 ***
■　コンディション　■
B+ / B+
RW ; ジャケット表裏の下部に薄いリングウエアがあります。
もろい紙質のため底と背が少々白く剥げているのでジャケットの評価は「B+」にしましたが、ジャケット表裏に影響はなく、限りなく「A-」寄りです。
盤面にはひげが散見され使用感があるので「B+」にしましたが、聴いた限りノイズは拾いませんでした。
マトリクスは手書きの枝番なしで「A1 // B1」。
歌詞やデータの載った内袋を付属しています（3辺に5cmほどの破れとレコード取り出し部分の一方に3cmほどの破れがあります）。

男1名女2名のポップ・フォーク・グループであるがナットシェル（Nutshell）の77年の2作目です。
しばしば「ジャケットで損をしている」とのレヴューをみかけますが、私はいかにも「英国での鉄道旅行の一幕」を切り取ったようなセピア調のジャケットが大好きでたまりません。
本作の最大の特色はソングライターでもあるポール・フィールドがリード・ヴォーカルをとる甘いメロディー・ラインの楽曲に2人のフィメール・コーラスが寄り添うところでしょう。
フィメール2人コーラスという編成はままありますが、メロウ・キャンドルにしてもスティーライの1枚目にしても声質がかなり違うところに妙味がありますが、本作の2人は揃ってこの世のものとは思えぬ美声ということで、ちょっと他には思い浮かびませんね。
収録曲はどれも3声ハーモニーを最大限に引き出すための素晴らしくリリカルなもので、アコースティックなアレンジを施し、ストリングスやキーボードがクラシカルに鳴り響いても、あくまでも主役は「3声ハーモニー」なのです。
特に圧巻なのは8分近いB-4「Bedsitter / Sometimes」でフィメールとメールが交互にがリードをとりながら、哀愁に満ちたメロディーが美しい厳かな楽曲で、人の素晴らしいコーラス・ワークが光るエンディングを飾るに相応しい曲です。
マイナー・レーベルからのアルバムですが、ジョン・G・ペリー、マイケル・ジャイルズといった大物ミュージシャンが参加していることからも、このグループというよりもソングライターであるポール・フィールドの書く楽曲のクオリティーの高さが分かるでしょう。
【収録曲】
A-1. "Walking into the Wind" 3:45
A-2. "Sara" 4:30
A-3. "Moonlight" 2:37
A-4. "Conversation Pieces" 4:22
A-5. "Flyaway" 4:08
B-1. "Feel Like a River" 5:10
B-2. "Safe and Sound" 2:38
B-3. "For Each Other" 4:57
B-4. "Bedsitter / Sometimes" 7:55
all songs by Paul Field
【参加ミュージシャン】
Paul Field: Vocals, Guitar and Piano
Pam Thiele: Vocals and Autoharp
Heather Barlow: Vocals
Mike Giles: Drums
John G Perry: Bass
Rod Edwards: Piano, Electric Piano, Clavinet and Synthesizer
Tony Carr: Percussion