*** LP ： USA / 71 / Thumbleweed / TWS 102 ***
■　コンディション　■
A- / A
見開きジャケットは表に14cm×20cmほどの窓が開き、また文字の部分がエンボス加工になっており、さらに中面中央に開口部があるユニパック仕様という凝ったものです。
DH ; ジャケット右上に直系2mmほどのドリルホールがあります。
ジャケット左上に軽い角打ちがあり少々白く剥げているのと表ジャケット右下に1mm程度の葉枯れが二つあるので「A-」の評価です。
盤面にはひげや気になる擦れもない、中古としては申し分のないコンディションです。
楽譜とカラー写真の載ったアナログ・サイズの豪華ブックレットとライナーの載った内袋（破れなし）を付属しています。

コロラド州デンバーを拠点とする異色のレーベル「Tumbleweed」から71年に発表されたダニー・ホリエンのおそらくは唯一のアルバムです。
プロデュースに当たっているのは後年にイーグルスなどで大物プロデューサーになるビル・シムジクで、「Tumbleweed」もシムジクが立ち上げたレーベルです。実際、溝に刻まれた音のクオリティーはマイナー・レーベルなのに、各楽器やコーラスまで聞き分けられる驚異的な音質ですよ。
演奏は4人編成で、フォーク・ロックよりの土臭いサウンドをベースに、結構ヴァラエティに富んだものです。
以下、ざっと印象に残る曲について……
個人的に弱いのは、A-1「Colorado」から自由に舞っているフルートの飛翔で、英国トラッドが好きな方にはフィドルの音色に置き換えてもらうと分かりやすいかもしれません。
A-2「Wella Wella Isabella」は、「おいおいビーチ･ボーイズ」かと突っ込みたくなっちゃう……ご愛嬌ということでm(__)m
最初のハイライトはA-3「Red Wing」でして、シンプルなギターと頼りないヴォーカルに寄り添うフルートが美しいんだが、いきなり転調でドタバタ……でも、フルートがいい按配で、「スワンプにフルートもあり」というのは新発見でした！
こてこての土臭いカントリー・ロックのA-4「Hick」や、ギターとフルートの絡みが美しいのに骨太なB-1「Satsanga」やロックンロールB-2「Labor Man」などヴァラエティに富んだ楽曲が続きます（でも、土臭いんだよね）。
じらしにじらして、ハイライト！
いきなりハードなギターのカッティングで始まるB-5「Lino The Wino」はサイケを通り越して20年早すぎた「グランジ」のようなハードな演奏、んでもfr-ドアウトしていって、いかにも70年代初頭のような牧歌的なB-6「Joshua Brown」が始ったかと思うと、ラウドなB-5「Lino The Wino」がフェイドインしてくるという、まともじゃない内容でっす（誉め言葉）。
名盤じゃないし……大推薦もできないな……
でも、骨太なアメリカン・ロック好きの方は、聴かなきゃ損ですよ。
【収録曲】
A-1 Colorado 5:10
A-2 Wella Wella Isabella 2:25
A-3 Red Wing 3:14
A-4 Hick 4:02
A-5 The Strange One 5:37
B-1 Satsanga 2:33
B-2 Labor Man 3:25
B-3 A Song of Thanksgiving 3:32
B-4 Home 3:49
B-5 Lino The Wino 3:57
B-6 Joshua Brown 3:01
All songs composed by Danny Holien
Strimgs arranged by Jimmie Haskell
【参加ミュージシャン】
Danny Holien : guitar and vocals
Gaga : drums , percussion , piano , backup vocals
Peter Jukoff : flute and sax
Stephen Swenson : bass and backup vocals
Produced and Engineered by Bill Szymczyk