*** LP ： USA / 2006 (70) / Dicristina / STEP04 ***
■　コンディション　■
A / A-
ジャケットは角打ちなどのダメージの一切ない、新品同様に近いコンディションです。
盤面にはひげはないのですが、B-2後半からB-3にかけてヘアラインがあるので「A-」にしました（聴いた限り気になるノイズは拾いませんでした）
見開きジャケット、歌詞カード付属。
ジャケットと溝に刻まれた内容が見事にマッチするこのようなアルバムは、やはりLPで持っていたいものですね！

70年にUKフィリップスからリリースされたヴァシュティ・バニヤンのファースト・アルバムです。
ヴァシュティ・バニヤンのオリジナルに忠実に再発されたアナログで、録音時期の異なる7"は付属しません。
UKフィリップスからリリースのリリースにも拘らず30年前から目玉飛び出す鬼畜価格でしたが、発売当時の販売実績は100枚ほどだったとのこと……
それにしちゃ〜参加メンバーが豪華過ぎると訝しがるのも今となっちゃ無理はないでしょうが、プロデューサーのジョー・ボイドがスケジュールの空いているミュージシャンを呼んでチャッチャと数日で録音したのでしょうね。
ま〜それにしても参加メンバーは豪華で、クリストファー・サイクスとジョン・ジェイムズが全面的にバックアップ、曲によってインクリディブル・ストリング・バンドのロビン・ウィリアムソン、フェアポート・コンヴェンションのデイヴ・スウォブリックとサイモン・ニコル、そして名アレンジャーのロバート・カービィがバックを固めています。
内容ですが、ロンドンからスコットランドのブリディーズ諸島への巡礼の旅を綴った作品だそうで、ジャケットのような幌馬車に乗って1年間旅しながら書いたという14曲をギターを弾きながら歌っています。
先述の豪華なミュージシャンたちも、あくまでもヴァシュティの素朴で儚げな歌声を引き立てることに徹しています。
つつましいサポート陣の演奏で特に興味をひかれたのは、インクリディブル・ストリング・バンドのロビン・ウィリアムソン参加曲とフェアポートのデイヴ・スウォブリックとサイモン・ニコル参加曲の質感の違いですが、これは聴いてのお楽しみということで。
しかも全体に漂うプカプカとした浮遊感が絶品で、スリーヴの雰囲気通りのいなたさはあるが泥臭くはなく、英国の田園風景が浮かんできます。
本作を録音後、ヴァシュティは再びジャケットのような幌馬車によって放浪の旅に出て、2000年代まで行方知らずとなるのでした。
英国フォークの至宝です。
【参加ミュージシャン】
Vashti Bunyan; vo, g
Christopher Sykes ; p, organ
John James ; dulcichord
Robin Williamson ; fiddle, mandolin, irish harp (A-3, B-1, 6)
Dave Swarbrick ; fiddle, mandolin (A-5, B-2, 7)
Simon Nicol ; banjo (A-5, B-2, 7)
Robert Kirby ; string & recorder arrangements (A-1, 6, B-4)
Jerry Boys ; Engineer
Joe Boyd ;Producer, Liner Notes
Robert Lewis ; Drawing
【収録曲】
A-1."Diamond Day" ? 1:47
A-2."Glow Worms" ? 2:16
A-3. "Lily Pond" ? 1:24
A-4."Timothy Grub" ? 3:15
A-5."Where I Like to Stand" (Bunyan / John James) ? 2:21
A-6."Swallow Song" ? 2:16
A-7."Window Over the Bay" (Bunyan / Robert Lewis) ? 1:47
B-1."Rose Hip November" ? 2:27
B-2."Come Wind Come Rain" ? 2:07
B-3."Hebridean Sun" (Bunyan / Lewis) ? 1:13
B-4."Rainbow River" ? 3:22
B-5."Trawlerman's Song" (Bunyan / Lewis) ? 1:56
B-6."Jog Along Bess" ? 3:36
B-7."Iris's Song for Us" (Bunyan / Wally Dix / Iris Macfarlane) ? 1:33
All songs written by Vashti Bunyan, except where noted.