*** LP ： Japan / 78 / Bellwood / SKS-1014 ***
■　コンディション　■
B+ / B+
SPSE ; ジャケットの底が7cmほど割れているのと、ジャケット左上に角打ちがあり2cm四方に皺が寄っています。
表ジャケットの白い部分に極薄い染みが浮いています。
盤面にはひげが散見されて使用感があるので「B+」にしましたが、気になる傷や擦れはありません（聴いた限り、気になるノイズは拾いませんでした）。
帯は付いていませんが、歌詞カードと二つ折りのインサートを付属しています。
なお78年末にベルウッドは終焉を迎えるため、このオリジナル盤が市場に出回っていたのは数ヶ月だそうです。

中原中也の詩に友川かずきが曲を付けてJ.A.シーザーが編曲を担当した78年の4枚目は、中也と交流があった作家・大岡昇平を「凄い歌手」と驚嘆させたという大傑作です。
J.A.シーザーの編曲が素晴らしいアルバムで、美しいこと極まりないA-1「サーカス」に始まり、和製アシッド・フォークとしても注目して欲しいA-5「桑名の駅」やB-4「六月の雨」など聴き所満載です。
演奏にはJ.A.シーザーの右腕であるギターの森岳史を始め、友川の盟友である頭脳警察の石塚俊明や多くのアルバムやライブに参加しているピアノの古家恭子が参加しています。
友川は中学時代に偶然眼にした中原中也の詩「骨」に衝撃を受け、これを機に自らも詩作を始めるようになったそうで、インタビューで「意識つまり自分の内側に目を落とすこと」に気付かされたそうです。
本作で「乗り越えなければならない壁」である中原中也の詩に果敢に挑戦し、直後から「俺の裡で鳴り止まない」言葉と音を発作的にほとばしらせる、孤高の道を歩むことになります。
大推薦。
【収録曲】
A-1 サーカス 3:53
A-2 臨終 3:44
A-3 湖上 3:03
A-4 帰郷 3:00
A-5 桑名の駅 2:57
B-1 夏の日の歌 2:21
B-2 汚れつちまった悲しみに 3:00
B-3 春の日の夕暮れ 4:20
B-4 六月の雨 3:30
B-5 坊や 4:53
【クレジット】
Arranged By ? J・A・シーザー
Guitar ? 森岳史
Bass ? 丹羽恵子, 竹村進一
Drums ? 大石恒夫
Percussion ? 石塚俊明
Piano ? 古家恭子
Organ, Keyboards ? 平岩嘉信
Flute, Piccolo Flute, Saxophone ? 前田彰二
French Horn ? 山田栄重
Ocarina ? 衞藤幸雄
Harmonica ? 森本恵夫
Stroh Violin [Cornetviolin] ? 堀口博雄
Tuba ? 石井弘一
Violin ? 加藤高志, 大久保貞二, 小林陽一郎, 多田吉徳
Backing Vocals ? 曼珠沙華
Liner Notes ? 中原思郎
Producer ? 小池康之