*** LP ： Italy / 2002 (71) / Akarma / AK 190 ***
■　コンディション　■
A / A
ジャケットはリングウエアや角打ちなどのダメージはなく、中古としては申し分のないコンディションです。
このアルバムのオリジナルの宿命なのですが、有名なギミック・ジャケットで特に三つに別れる表ジャケットが弱くなっているものがほとんどなのですが、そのギミックの部分にも気になるダメージはありません。
盤面にはひげや気きになる擦れはなく、中古としては申し分のないコンディションです。
10年以上前の180グラム重量盤の限定再発ですが、入手困難になりつつあります。

実力をもちながら商業的に成功を収められなかった悲劇のバンド、パトゥの2作目は、サイケ色とジャズ・ロック的要素が後退し、ハード・ロック色を前面に出した傑作です。
オリジナルのVertigo盤は30年前からのコレクターズ・アイテムで、今では綺麗なコンディションのものをみかけなくなりました。
メンバーは前身のタイムボックス時代から活動を共にしてきた4人で、後述する2人の個性ばかりが語れますが、繊細で美しいコーラスを聴かせてくれます。
重いビートを叩きだすリズム隊の上を、マイク・パトゥの個性的なヴォーカルとオリー・ハルソールの奔放なギターが交錯する瞬間の緊張感は、ジェフ・ベックとロッド・スチュワートの掛け合いにも匹敵します。
まずはマイク・パトゥのヴォーカル……圧倒的な迫力のダミ声で英国的しか言いようがなく、ロジャー・チャップマンや初期のロッド・スチュワートに匹敵すると個人的には思っています。
そしてオリー・ハルソールのギター……時にジャジーに、時に早弾き、時にフニャフニャにと変幻自在にマイク・パトゥのヴォーカルに絡み付いていきます。
では特に印象に残る曲について。
A-2「You, You Point Your Finger」はパトゥにしては珍しい哀愁ナンバーで、繊細で美しいコーラスに包まれたマイク・パトゥの歌声が素晴らしいです。
A-4「See You At The Dance Tonight」はいかにもパトゥな風変わり曲で、オリー・ハルソールのギター・ソロが圧巻です。
B-2「Air Raid Shelter」は1stの延長線上にある変態フリー・セッションといった感じの曲で、このようなジャズ風のナンバーになると演奏のテンションが半端なく、ゾクゾクするほどかっこいい演奏です。
ロジャー・ディーンによるコミカルな変形ジャケットを再現した再発でどうぞ。
【参加ミュージシャン】
Mike Patto / vocals
Ollie Halsall / guitar, piano, vibes, vocals
John Halsey / drums, vocals
Clive Griffiths / bass
【収録曲】
A-1. Hold Your Fire 8:07
A-2. You, You Point Your Finger 4:37
A-3. How's Your Father 4:45
A-4. See You At The Dance Tonight 5:00
B-1. Give It All Away 4:13
B-2. Air Raid Shelter 7:07
B-3. Tell Me Where You've Been 3:52
B-4. Magic Door 4:23