*** LP ： UK / 94 / ACME / AC8002LP ***
■　コンディション　■
B+ / A
ジャケットは白のプレーンに紙を貼ったチープなものです。
SPSE ; ジャケットの底が6cmほど割れています。
純白のジャケット（特に裏）に薄らと染みが浮いています。
レコード取り出し口は袋綴じになっていますが、大きな破れはなく比較的綺麗に開けられています。
盤面にはひげが1.2本あるだけで気になる擦れはなく、中古としては申し分のないコンディションです。
歌詞カード付属。

スパイラル・スカイのアルバムは、94年でこのサウンド……時代錯誤もはなはだしい（誉め言葉）英国マイナー・フォークの快作です。
Kataなる女性のヴォーカルをメインに、素人臭い演奏はかなりドローンとしており、録音時期を知らなきゃ「70年代・暗黒の英国自主フォーク」もしくは「70年代・鬼畜自主制作アシッド・フォーク」と信じて疑わないことでしょう。
アルバム全体は、「トラッド色のある暗めのアシッド・フォーク」といったところでしょうか。
ちょっと甲高いKataの声は英国的な翳りがあり、サンディー・デニーの名唱が特に有名な「Matty Groves」を懸命に歌っていますが、なにしろ歌がお上手ではなく、その不安定さが不思議な揺らぎを生んでいます。
お上手ではない歌姫を支える演奏隊も実に頼りなく、ディレーやリヴァーブなどで誤魔化しているのですが、それがまた実に効果的なんだよね。
疾走感のあるA-5やB-1（シタールがビンビン）はかなりスペイシーで、キャタピラの2作目を彷彿とさせます（そっか、Kataのヴォーカルはどこかアンナ・ミークに似ています）。
現代っ子が果敢にトラッドに挑戦したといった感じの青臭さ（考えてみりゃFairport ConventionだってMartin Carthyだって、最初はハナたれ小僧だったわけだよね）というのか、背伸びの仕方もとっても無邪気で好感が持てます。
収録曲は2曲がトラッド、残りの8曲はKata（共作を含む）によるオリジナルというのもポイント高し。
発売当初に購入して以来「愛聴盤」とはいえないが、いつでも聴ける場所に置いてある数少ないアルバムの1枚です。
大好き*^^*
【収録曲】
A-1. Lady Of Shallot (Kata, Andy, Tennyson)
A-2. Wanting Love (Kata)
A-3. Kingdom For A Meaning (Kata)
A-4. Matty Groves (Trad.)
A-5. Slime Pits (Kata)
B-1. Marriage Of Inconvenience (Kata)
B-2. Bold William Taylor (Trad)
B-3. Folk Song (Kata)
B-4. Cats Whiskers (Kata)
B-5. Sensing The Blue (Kata)
【参加ミュージシャン】
Kata ; Vocals, Dulcimer, Keyboard
Andy Boot ; Guitar
Anthony Clough ; Bass, Percussion, Flute
Mike Webb ; Drums, Tables, Percussion
Tryphena Cohen ; Keybords
= Guest Musicians =
Joe Townsend ; Violin
Steve Johnson ; Flute
Edward Kent ; Guitar, Tamboura, Sitar