*** LP ： USA 1972 / A&M / SP 4325 ***
■　コンディション　■
B+ / B+
Ｗジャケットは、気にならないほどの経年による黄ばみが周辺部にあります。
ディスクは、Ａ面に2箇所ほど浅い小キズありますがそれ以外は綺麗です。

リタ・クーリッジの2作目はマーク・ベノとディキシー・フライヤーズが固定バンドの充実作。「何の誇張もなく囁きかけるようなリタのヴォーカルが無限にハートに広ります。

説明無用の「デルタ・レディー」ことリタ・クーリッジ、それまでの足跡にそぐわない豪華なメンバーが参加した1枚目は誉れ高きスワンプの名盤ですが、間髪をおかずに同年に発表された2枚目の本作はマーク・ベノとディキシー・フライヤーズを固定バンドに据えて、リタのヴォーカルに焦点を当てたアルバムです。

豪華メンバーに囲まれたデビュー作では気負いみたいなものを感じてしまうのですが、本作ではマーク・べノが選んだというディキシー・フライヤーズに最低限のゲストを迎えただけの落ち着いたサウンドです。

本作のキーパーソンは、マーク・ベノでしょう。
本作はマーク自身のデビュー作にも収録されている「A-1」でスタートし、本作のタイトルにもなっている稀代のバラード「A-4」が収められています。
もう一人のキーパーソンはキーボードを担当するマイク・アトレーで、「A-2」と「B-3」を提供しています。
前作を踏襲するようなスワンプ濃度の高い楽曲は、「A-3」と「B-1」（両方とも彼女の敬愛するレイ・チャールズで有名なナンバー）と「A-5」（デラボニでの同僚だったDave Masonの曲）で味わえ、この3曲は「デルタ・レディー」のニックネームを裏切りません。
グラハム・ナッシュの1st収録の「B-2」、ディランの「B-4」、ニール・ヤングの「B-5」（非難囂々の曲もリタに歌わせりゃ名曲）と、有見ドコロのカバーも実に見事で、後年コンテンポラリー歌手として大成功を納めるのも納得です。
注目度は低いが捨て曲なしの名盤、スワンプ・ファンは当然としてSSWファン、アメリカン・ロック・ファン、ヴォーカル・ファンも、持っていなきゃ恥ずかしい大名盤です。

<収録曲>
A-1. Family Full Of Soul (Marc Benno) 3:07
A-2. Nice Feelin' (Mike Utley / Steven Bogard) 3:23
A-3. You Touched Me In The Morning (Jimmy Lewis) 3:41
A-4. Nice Feelin' (Marc Benno) 5:31
A-5. Only You Know And I Know (Dave Mason) 3:37

B-1. I’ll Be There (Jimmy Lewis) 4:24
B-2. Better Days (Graham Nash) 3:30
B-3. Lay My Burden Down (Mike Utley / Steven Bogard) 4:01
B-4. Most Likely You Go Your Way (And I'll Go Mine) (Bob Dylan) 4:12
B-5. Journey Thru The Past (Neil Young) 3:29

<参加ミュージシャン>
Marc Benno ; Guitar, Vocal
Dixie Flyers……
Charie Freeman ; Guitar
Mike Utley ; Keyboards
Tommy McCclure ; Bass
Sammy Creason ; Drums
Guest……
Al Kooper ; Organ
Nick DeCaro ; Accordion
Don Brooks ; Harmonica
Rusty Young ; Pedal Steel Guitar