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*** LP ： UK / 95 (72) / Magic Carpet / MC 1001 LP ***
■　コンディション　■
A- / A
SPSE ; ジャケットの底を5cmほど割れの補修があいてあるので「A-」にしましたが、それ以外に気になるダメージはなく、中古としては申し分のないコンディションです。
盤面にはひげが数本ありますが、気になる傷や擦れはなく、中古としては申し分のないコンディションです。
本人たちによる公式再発盤ですが、95年当時アナログはあまり出回りませんでした。
なお裏ジャケット中央に「Magic Carpet Records」のカタログを掲載したシールが張ってあり、マトリクスも手書きで【A-2 // B-2】となっています。

バンド名がマジック・カーペットで、激レアなオリジナル盤のレーベル名がマッシュルーム……「アッチの世界に行きしょう指数」全開ですな！
冗談です……最初に結論を申しますと「インド音楽と英国トラッド・フォークが見事に融合した大傑作」です。
68年にインドに渡り本格的にシタールの演奏技術を習得したClem Alford、後にジョン・レンボーンのバック・バンドのメンバーとなるKeshav Satheらがやっていたバンドに、リード・ヴォーカルだけでなく収録曲の半数の曲を提供する歌姫アリーシャ（Alisha Sufit）を迎え、72年に残したアルバムです。
サウンドはずばり、インド音楽と英国トラッド・フォークが融合した幻想的かつ神秘的なもので、純然たるインド音楽にありがちな宗教臭さや難解さはありません。
確かにシタールとタブラが多用されていますのでインド音楽に不慣れな人には最初はとっつきにくいかもしれませんが、正統派英国トラッド・フォークの系譜に入るアリーシャの歌声とJim Moyesが奏でる幻想的なエレクトリック・ギターが交配されると妖気漂うエキゾチックなアシッド・フォークへと昇華されます。
60年代後半にロック界を席巻したあからさまなインド音楽至上主義ではなく、アングロ・インディアン（インド人と英国人の混血）である彼等だからこそ、ルーツの一つであるインド音楽のエッセンスを生まれ育った英国フォークに自然と融合させることが可能だったのでしょう。
特に今でも活動するアリーシャの書く曲はペンタングルあたりが取り上げても不思議ではないほど「英国度」の高いものです。
アリーシャが担当したアルバム・ジャケットのイラストは、インド神話に出てくるキンナラと呼ばれているものだそうで、「音楽的才能を持つ楽師・歌手で、天上の音楽を奏でる半神の精霊」だそうです。
そんなトリビアを知ると、アングロ・インディアンが祖先の祖国を緒に思いを馳せて、音楽をジャケットで可視化した見事なコンセプトアルバムなのかもしれませんね。
【収録曲】
A-1. The Magic Carpet (Alford, Sathe, Moyes)
A-2. The Phoenix (Alisha Sufit)
A-3. Black Cat (Alisha Sufit)
A-4. Alan's Christmas Card (Alford, Sathe, Moyes)
A-5. Harvest Song (Alisha Sufit)
A-6. Do You Hear The Words (Alford, Sathe, Moyes)
B-1. Father Time (Alisha Sufit, Alford, Sathe, Moyes)
B-2. La La (Alford, Sathe, Moyes)
B-3. Peace Song (Alisha Sufit)
B-4. Take Away Kesh (Alford, Sathe, Moyes)
B-5. High Street (Alisha Sufit)
B-6. The Dream (Alisha Sufit)
【参加ミュージシャン】
Clen Alford ; Sitar, Esraj, Tamboura
Jim Moyes ; Electric Guitar
Keshav Sathe ; Tabla, Percussion
Alisha Sufit ; Vocals, Acoustic Guiatr

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