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*** LP ： Japan / 76 / ビクター Discomate / DSK 5001 ***
■　コンディション　■
B+ / A-
ジャケットに角打ちや抜けなど大きなダメージはないのですが、純白の部分に経年の薄らとした焼けがあるので「A-」にしました。
盤面にはひげが数本あるので「A-」にしましたが、聴いた限り気になるノイズは拾わず、中古としては申し分のないコンディションです。
80年代に入ってからの再発ではジャケットが変更されており、これがオリジナル・ジャケットになります。
帯（補充カード付き）と歌詞・写真・フィルモグラフィーの載った4ページのインサートを付属しています。

演劇仲間の強い勧めで完成させた原田芳雄の76年のデビュー作です。
後年のブルース路線ではなく、藤田敏八、桃井かおり、松田優作、阿木燿子、宇崎竜童、荒木一郎、クニ河内といった仲間が協力した燻銀のヴォーカル・アルバムです。
内輪のパーティなどでは自慢の喉を披露しており、演劇仲間の間では原田芳雄の歌の上手さは広く知られていたそうですが、レコーディングの話には「片手間には出来ないよ」とにべもなかったそうです。
ところが藤田敏八監督の映画などで喉を披露しているうちに、映画ファンや音楽関係者にも知られるところになり、藤田敏八、桃井かおり、松田優作、荒木一郎の説得で渋々を出したのが本作だそうです。
先述のとおり後年のブルース路線ではなく、作家人に藤田敏八、桃井かおり、松田優作、阿木燿子、宇崎竜童、荒木一郎、クニ河内といった仲間が協力した燻銀のヴォーカル・アルバムです。
一歩間違えば「ムード歌謡」なっちゃうんだけど、原田の存在感は抜群で、どんなにステレオタイプの歌詞（特にこの後も歌詞を提供することになる阿木燿子には確信犯ですね）のものでも、嫌味がなくて最高に格好いいんだよな！
映画関係者の提供した詞はいかにも映画人的な感性で、なかでも松田優作歌詞、荒木一郎作曲のB-6「川向こうのラスト・デイ」はご両人がこのアルバムのために書き下ろした曲とのことで素晴らしい。
異色なのは西岡恭蔵の大名曲A-5「プカプカ」で三味線や尺八を全面的に使用しており原田芳雄でなければ「嫌味」になるだけでしょうが、誰にも真似のできない「原田芳雄ワールド」満開の「お座敷ブルース・ロック歌謡」に仕上がっています。
蛇足ですが、「プカプカ」のモデルになった安田南とは共演経験もあるそうで、原田の思い入れのある選曲なのかもしれません。
この路線は本作のみで、以後のアルバムでは「和製ブルース・ロック」路線を邁進することになります。
【収録曲】
A-1 いとこ同志　（作詞・藤田敏八、作曲・宇崎竜童、編曲・山本幸三郎）
A-2 風が吹きます　（作詞・桃井かおり、作曲・田山雅充、編曲・クニ河内）
A-3 斜陽　（作詞・藤田敏八、作曲・荒木一郎、編曲・江夏健二）
A-4 帰らぬあいつら　（作詞・林美雄、作曲・宇崎竜童、編曲・山本幸三郎）
A-5 プカプカ　（作詞作曲・西岡恭蔵、編曲・クニ河内）
A-6 原田芳雄のこもりうた　（作詞・吉井亜彦、作曲・坂田晃一、編曲・坂田晃一）
B-1 青い蝶　（作詞・原田章代、作曲・原田芳雄、編曲・クニ河内）
B-2 赤坂・一ツ木・どん底周辺　（作詞・阿木燿子、作曲・宇崎竜童、編曲・山本幸三郎）
B-3 花づくし　（作詞・夏文彦、作曲・朝コータロー、編曲・クニ河内）
B-4 ひとりがたりの赤い爪　（作詞・福田みずほ、作曲・クニ河内、編曲・クニ河内）
B-5 地中海ラヴ・ソング　（作詞・石橋冠、作曲・坂田晃一、編曲・坂田晃一）
B-6 川向こうのラスト・デイ　（作詞・松田優作、作曲・荒木一郎、編曲・江夏健二）

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