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*** 2LP ： Japan / 83 / ビクター Discomate / DSK 2001-2 ***
■　コンディション　■
B+ / A
SPSE ; 見開きジャケットの上部両方に3cmほどの抜けがあります。
天に軽い角打ち（背の部分）と、2cmが1箇所、5mm以内が3箇所ほど白く擦れています。
内ジャケットに薄らとした染みが浮いています。
細かいダメージを列挙しましたが、ジャケット全体のコンディションは30年前の中古としては許容範囲内の良品です。
盤面には2枚ともひげや気になる擦れはなく、中古として申し分のないコンディションです。
帯（真中に軽い折目がついています）、歌詞カードを付属しています。

原田芳雄の通産6枚目となるアルバムは2枚組の大作ライブで、82年10月7〜9日に渋谷パルコパート3で行なわれたライブを収録しています。
それまでの音楽活動の集大成にして最高の和物ブルース・ロック・アルバムなのですが、本職が俳優の2枚組の大作でしかもライブ盤ということもあってかセールスは悲惨だったようで、めったに出てこないレア盤です。
先ほど「本職が俳優」と書きましたが、そんな先入観は消しましょう！
とにかく声が良いですし、そんじょそこらのロックやブルースのヴォーカリスト顔負けの歌の上手さです。
時期的には4枚目のアルバム『Oh! Yeah!! ブルース・パラダイス』発表直後のライブで、待望のバック・バンド「サッキング・ルージュ」とのコンビネーションもバッチリです。
収録曲の多くは81年の3rd『ジャスト・サム・ブルース』と83年の4th『Oh! Yeah!! ブルース・パラダイス』からの選曲になっていますが、アルバム未収録曲も多数収録されています。
順に特に印象に残る曲について個人的な感想を……
冒頭の83年の4th『Oh! Yeah!! ブルース・パラダイス』収録のA-1「B級パラダイス」からしてライブならではのグルーヴィーな演奏で、ここまでに2枚のアルバムを制作してきたサッキング・ルージュとのコンビネーションもバッチリです。
続くA-2では早くもお約束の「横浜ホンキートンク・ブルース」を演奏していますが、ちょっと調べたところオリジナル・アルバムには未収録で、ベスト盤に目玉曲として録音したようです。生まれも育ちも横浜の私ですら「恥ずかしくなる」くらいベタベタな横浜のイメージを全国に定着させた歌ですが（この曲のイメージが当てはまるのは山下町から本牧にかけての極狭い地域のみです）、横浜のロック親父は誰でも「横浜市の歌」として認知している、泣けちゃうくらいの名曲ですな！
おそらくアルバム未収録のB-1「ジンハウス・ブルース」は淺川マキの作詞のブルース・ハープがむせび泣くスローな曲で、淺川マキと原田芳雄のパブリック・イメージがものの見事に溶け合っています。
B-2「Get Out Of My Life Woman」（4th『Oh! Yeah!! ブルース・パラダイス』収録）はアラン・トゥーサン（Allen Toussaint）の曲ですが、「セカンドライン」の真似事にならず、醤油臭い（どんなんや？）「和製ブルース・ロック」に仕上げています。
確信犯・阿木燿子と宇崎竜童によるB-3「山猫スト」（宇崎竜童のトランペットがいかしています！）とB-4「ブルースで死にな」は結構恥ずかしい歌詞で、原田芳雄じゃなきゃ歌いこなせないでしょう……んだが、ファンにはたまらんちゃ！
「アラン・トゥーサン作」と誤表記されているC-1「Going Down」（アルバム未収録）は当然ドン・ニックスのオリジナルのあの曲なわけで、サッキング・ルージュと一体になってグルーブしまくりです。
思い切りシカゴ・ブルース風にアレンジされたC-2「マッカーサーのサングラス」や、超有名曲C-4「When A Man Loves Woman」のカヴァーもヘヴィーな演奏で最高です！
うぅ〜〜〜〜〜ん、でも個人的ハイライトは「D面」で決定だっちゃね！
3曲とも「本格的和製ブルース・ロック」路線に転じた大傑作『ジャスト・サム・ブルース』（81年の3枚目）からの選曲です。
『ジャスト・サム・ブルース』は↓
https://www.disk-market.com/?pid=39292486
「酒はバーボンのストレート、煙草はチェーンスモーク」といったステレオタイプとも思える歌詞も原田芳雄が歌うと最高に格好いいB2「ショートピースとハイボール」、2作目のアルバム・タイトル曲なのに『ジャスト・サム・ブルース』で再録音したD-2「レイジー・レディー・ブルース」、そして「和製ブルース・ロック」の埋もれた超名曲B4「アイ・ソー・ブルース」の3連発でメロメロだわさ……
フローズン・ダイキリに酔いしれて、バーのカウンターで聴きたい「和製ブルース・ロック」の最高峰の1枚です！
原田芳雄のアルバムで最も見かけない「一期一会のレア盤」にして、最高傑作でしょう。
大推薦。
【収録曲】
A-1. B級パラダイス （作詞・阿木燿子、作曲・宇崎竜童、編曲・サッキング・ルージュ） 6:33
A-2. 横浜ホンキートンク・ブルース （作詞・藤竜也、作曲・エディ藩、編曲・サッキング・ルージュ） 5:57
A-3. センチメンタル・ボクサー （作詞・篠塚真由美、作曲・宇崎竜童、編曲・サッキング・ルージュ） 5:39
A-4. 10ドルの天使 （作詞作曲・大木トオル、訳詞・宇崎竜童、編曲・サッキング・ルージュ） 6:33
B-1. ジンハウス・ブルース （作詞・淺川マキ、作曲・H. Troy, F. Henderson、編曲・サッキング・ルージュ） 6:13
B-2. Get Out Of My Life Woman （作詞作曲・Allen Toussaint、編曲・サッキング・ルージュ） 3:55
B-3. 山猫スト （作詞・阿木燿子、作曲・宇崎竜童、編曲・宇崎竜童） 3:36
B-4. ブルースで死にな （作詞・阿木燿子、作曲・宇崎竜童、編曲・サッキング・ルージュ） 6:57
C-1. Going Down （作詞作曲・Allen Toussaint、編曲・サッキング・ルージュ） 4:44
C-2. マッカーサーのサングラス （作詞・阿木燿子、作曲・宇崎竜童、編曲・宇崎竜童） 4:15
C-3. Every Night Woman （作詞作曲・大木トオル、編曲・サッキング・ルージュ） 5:32
C-4. When A Man Loves Woman （作詞・島武実、作曲・A. Wright, C. H. Lewis、編曲・サッキング・ルージュ） 6:44
D-1. ショート・ピースとハイ・ボール （作詞・篠塚真由美、作曲・宇崎竜童、編曲・サッキング・ルージュ） 6:40
D-2. レイジー・レディー・ブルース （作詞・阿木燿子、作曲・宇崎竜童、編曲・宇崎竜童） 7:18
D-3. アイ・ソー・ブルース （作詞・阿木燿子、作曲・宇崎竜童、編曲・宇崎竜童） 5:31
プロデュース；原田芳雄、宇崎竜童

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※コンディション表記は、「ジャケット / 盤質」の順になっております。
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