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Keith Tippett's Ark (Keith Tippett) / Frames (2LP)
管理番号 3L-01670商品ID52126424
販売価格 12,800円(税込)
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3L-01670 - Keith Tippett's Ark (Keith Tippett) / Frames (2LP) - 12,800円(税込)
コンディション違い、仕様違いの同タイトル盤があるかもしれません。アーティスト名等で検索してみてください。

*** LP : UK / 78 / Ogun / OGD003〜4 (2LP) ***
■ コンディション ■
A- / A-
コーティングの見開きジャケットには気になる角打ちもないしコーティングの浮きも少なく、中古としては申し分のないコンディションです。
WOC ; ただ内ジャケット右上に8cm×3.5cm以内に黒マジックの書き込みがあるので「A-」にしました。
盤面にひげはありませんが、薄らとしたヘアラインがあるので「A-」にしました(聴いた限り気になるノイズは拾いませんでした)。
PATENT NO.入り白インナーバッグ付属(破れなし)。

キース・ティペットを中心にした22人編成の「Keith Tippett's ARK」による78年の唯一作で、「空想の映画音楽」をコンセプトにした集団即興の究極的名盤です。
キース・ティペット・グループ、センティピード、オヴァリー・ロッジを経てスタン・トレイシーとのTNTまで、これまでティペットが関わったジャズ・ミュージシャンが集結しいるここまでの集大成的作品で、プロデュースにはヒュー・ホッパーがあたっています。
キース・ティペットをリーダーにした集団即興アルバムと言えば71年に発表したセンティピード名義の『Septober Energy』が有名ですが、センティピードは若気の至りの集団暴走で統制が取れていなかったのに対して、本作は即興音楽の中にもメロディアスで美しい楽曲、さらに静と動の対比がクリムゾンを彷彿させるところがあって、非常に完成度の高い作品になっています。
それもそのはずでレコード化を念頭に置いて作曲をし、初演後2年置いて録音したそうで、演奏時間と各サイドの構成もよく練られています。
【収録曲と主なソリスト】を参照願いたいのですが、ハリー・ミラー、エルトン・ディーン、トレヴァー・ワッツ、スタン・トレイシー、ルイ・モホロ、フランク・ペリーといった個性の強いミュージシャンのソロ・パートを絶妙に配し、奥行きのあるフリー・フォームな演奏を統制しており、全体が緻密にアレンジされています。
参加ミュージシャンの多くがキース・ティッペトと多くの共演をしてきたことが相互解釈に反映し、アルバムの水準を高めているのは間違いないでしょう。
フリー・フォームな即興からテーマへ、そして各パートのインター・プレイに突入して行きますが、全般にわたってスコアが配されており、ジャズやプログレといったジャンルを超越した確固たる作品になっています。
アルバムの4面それぞれにも「起承転結」を割り当てたかのように全体の構成もメリハリが利いており、澄み渡る静けさの中から神秘的な音が生み出されるシーンから、モダンアート的世界、モダン・ジャズ、怒涛の強圧的集団即興まで、様々なジャズの要素を盛り込んだ「空想の映画音楽」を喚起させるきわめて多彩なサウンドに満ちています。

では、簡単な印象を述べておきます。
Side-Aは、個人的に耽溺なハリー・ミラーとピーター・コワードのダブル・ベースを主体にペキペキのフリー演奏が被さる視覚的なイントロダクションに始まり、ジュリー・ティペッツと思われるヴォイシングや、エルトン・ディーンやトレヴァー・ワッツを中心にした抑制の効いたサックス合戦ののち、後半に集団即興によるオーケストラに同化されていくドラマチックな演奏です。
Side-Bは、激しいピアノとせわしないヴァイオリンやサックス、ヴォイシングによるテンションの高いユニゾン(フランスの偉大なるバンドMAGMAを彷彿とさせます!……若い人には渋さ知らズのドシャメシャな感じかな?)に始まり、やがてルイ・モホロとフランク・ペリーというキース・ティペットとは切っても切れないドラマーのデュオをメインにした静寂の中での呪術的な演奏(Ovary Lodgeそのものです)となり、エルトン・ディーンは渋すぎるサックス・ソロを披露して、ピーター・コワードが重厚なチューバ・ソロで締めくくります。
Side-Cは個人的に本作のハイライトでして、ジュリー・ティペッツのクリスタルなヴォイシングに導かれて始まり、キング・クリムゾン『アイランド』に似た混沌としたサウンドの中からキース・ティッペトの流麗な正統派ジャズ・ピアノが被さってくる出だしが素晴らしく、その後もスタン・トレイシー、トレヴァー・ワッツ、ヘンリー・ロウザーが各々の特質をいかしたソロを繋いでいく後半のモダン・ジャズ的構成もキース・ティペットとしては異色でしょう。全編でボトムを支えるハリー・ミラーのベースも圧巻です(プロデュースのヒュー・ホッパーが演奏に参加しなかったのは見識です!)。
Side-オープニングではテーマにのっとった疾走感のあるユニゾンのオーケストラ重奏で、トレヴァー・ワッツの歌い上げるようなアルト・ソロ、マーク・チャリングとヘンリー・ロウザーのトランペットの掛け合いが華を添えており、半ばにジュリー・ティペッツとマギー・ニコルスのヴォイシングやキース・ティペットのピアノなどをじっくり聞かせる静寂パートへと収束していきます。
英国フリー・ジャズやプログレという枠を超えた、とんでもない名盤です。
【収録曲と主なソリスト】
Side-A 20:07 1. Harry Miller/ Peter Kowald ? basses 2. Elton Dean/Trevor Watts/ Larry Stabbins/Brian Smith - saxcello & soprano 3. Dave Amis ? trombone 4. Nick Evans/Peter Kowald - trombone, tuba
Side-B 19:06 1.Louis Moholo/Frank Perry - drums, percussion 2.Elton Dean ? alto 3.Peter Kowald - tuba
Side-C 23:52 1.Julie Tippetts ? voice 2.Keith Tippet ? piano 3.Maggie Nicols ? voice 4.Stan Tracy ? piano 5.Henry Lowther ? trumpet 6. Stan Tracy ? piano
Side-D 20:37 1. Trevor Watts ? alto 2. Mark Charig/ Henry Lowther ? trumpets
【参加ミュージシャン】
Keith Tippett - piano, harmonium
Stan Tracey ? piano
Elton Dean - alto sax, saxello
Trevor Watts - alto & soprano saxes
Brian Smith - tenor & soprano saxes, alto flute
Larry Stabbins - tenor & soprano saxes, flute
Mark Charig - trumpet, small trumpet, tenor horn, Kenyan thumb piano
Henry Lowther ? trumpet
Dave Amis ? trombone
Nick Evans ? trombone
Maggie Nicols ? voice
Julie Tippetts ? voice
Steve Levine ? violin
Rod Skeaping ? violin
Phil Wachsmann - electric violin, violin
Geoffrey Wharton ? violin
Alexandra Robinson ? cello
Tim Kramer - 'cello
Peter Kowald - bass, tuba
Harry Miller ? bass
Louis Moholo - drums
Frank Perry ? percussion
Recorded 22, 23 & 24 May 1978 at Wessex Studios, London N5.



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※コンディション表記は、「ジャケット / 盤質」の順になっております。
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